フィナステリド(プロペシア)が効かなくなった、はホント?フィナステリドの耐性や、効果が体感できなくなった場合の対策を解説
フィナステリド(プロペシア)の耐性は、現時点では報告されていません。実際に多くの患者様が数年にわたって効果を体感されています。一方で、実は効果を感じられなくなるケースもあるため注意が必要です。本記事では、フィナステリドの効果を感じられなくなるケースの理由とその対策について解説していきます。
■ 本記事のサマリ
- フィナステリド(プロペシア)に
"耐性"は報告されていない - 「毛量の維持」も
フィナステリドの効果の一つ - 服用中断は薄毛の再発リスク
効果を高めるならデュタステリドかミノキシジル
フィナステリド(プロペシア)に
"耐性"は報告されていない
結論から言うと、現時点では、フィナステリドに明確な"耐性"は報告されていません。
そのため、一般的にはフィナステリドを長期に服用することで効きにくくなることはないと考えられています。
フィナステリドで10年間、
薄毛が改善し続けた研究も
実際に過去の研究でも、薄毛が軽症のうちに治療を開始した集団は、フィナステリド1mgで10年間薄毛が改善し続けたと報告されています。
このことからも、長期服用でフィナステリドが効かなくなるわけではないといえるでしょう。
「毛量維持」も
フィナステリドの効果の一つ
「フィナステリドが効かなくなってきた」と患者様が感じる理由の一つに、フィナステリドの効果への誤解があります。
実は、フィナステリドは「毛量の維持」だけでも効果を発揮しているのです。
そもそも、AGA(男性型脱毛症)は進行性の薄毛で、治療せずに放置すると、おでこやつむじから薄毛が加速度的に進みます。
ある研究では5年間で4分の1も髪の毛が失われたと報告されているほどです。
フィナステリドは、この薄毛の原因に直接効果を示し、薄毛の進行を止める効果があります。
そのため、治療初期には、フィナステリドの効果で本来抜けるはずだった髪がしっかり育ち、毛量が増加したように感じる患者様が多いです。
その後、治療が進んで抜け毛の量が落ち着くと、フィナステリドの薄毛改善効果とAGAの進行度が釣り合い、「毛量維持フェーズ」に入るのです。
この毛量維持フェーズに入ることで、患者様によっては増毛実感が減り、「効かなくなった?」と感じてしまうのでしょう。
しかし、実際のところ、治療をせずに放置していたら本来もっと減っていたはずの髪が維持されることも、フィナステリドの効果の一つなのです。
増毛期間(維持フェーズに入るまで)は
平均7年程度
なお、フィナステリドも維持フェーズに入るまでは増毛が期待できるお薬です。
ある先行研究では、フィナステリドが維持フェーズに入るまで平均7年程度と報告されています。
更に、この研究では、早期に治療を開始すればするほど増毛効果が続きやすいことも示唆されています。
全体集団では増毛期間が平均7年だったところ、薄毛が早期の段階で治療を開始した集団は10年間薄毛が改善し続けたと報告されています。
これは、治療が遅くなるほどAGAが進行し、休眠して髪が生えづらくなった毛根が増えることなどが原因と考えられています。
このことからも、できる限りフィナステリドの効果を期待するのであれば、早期に治療を開始することをお勧めします。
効かないからといって薬を中断すると
薄毛の再発リスクは約80%
現時点ではフィナステリドには耐性は報告されていません。
そのため、治療途中でフィナステリドが効かなくなることは考えづらいです。
一方で、よくある誤解の一つに、フィナステリドの「毛量維持」効果を認識できていないケースがあります。
ここで重要なのが、効かなくなったと誤解してフィナステリドの服用を中断すると、再びハゲてしまうリスクがあるということです。
前述の通り、AGA は進行性の薄毛で、現時点では完治が難しい病気です。
AGA治療薬はAGAの薄毛を一時的に止められる唯一の効果を持ちますが、完治はできず、薬の効果が無くなると薄毛が再進行してしまうのです。
実際にへアテクトの患者様に実施したアンケートでは、約80%の方が中断後に薄毛・抜け毛の再発を実感していることが分かりました。
同様のアンケートで、早い方だと数週間、90%以上が中断してから半年以内に薄毛の再発を実感しているようです。
折角これまで生えた髪の毛を無駄にしないためにも、「効果がない」と早合点してフィナステリドの服用を中止しないことをお勧めします。
※分析概要
対象/へアテクト患者様のうち、1ヶ月以上治療を中断された方37名
*上記はそのうち1年以上治療を継続された方を対象に集計
調査期間/2023年11月14日~11月24日
今より毛量をしっかり増やすなら
デュタステリド変更かミノキシジル併用
もし、フィナステリド単体では増毛を感じられず、いまよりしっかりと毛量を増やしたい場合は、
- フィナステリドのデュタステリドへの変更
または
- フィナステリドとミノキシジルの併用
をお勧めしております。
デュタステリドは、フィナステリドと同じ「薄毛の進行を止める」薬です。
デュタステリドはフィナステリドよりも影響範囲が広く、更に高い効果が期待できます。
また、ミノキシジルは、血流促進等で「髪の成長を促す」薬です。
フィナステリドやデュタステリドの「薄毛の進行を止める守りの効果」と
ミノキシジルの「髪の成長を促す攻めの効果」を併用することで、フィナステリド単剤よりもしっかり毛量の増加が期待できるのです。
一方で、自分の判断で薬の変更や増量は難しいケースも多いと思います。
最近では無料で医師に相談できるクリニックも増えています。
フィナステリドが効かなくなってきた?と不安に思ったタイミングで医師や専門家に相談してみるのも選択肢の一つでしょう。
ヘアテクトなら相談も診察も"無料"!
24時間以内に専門家が薄毛のお悩みに回答します
ヘアテクトでは、薄毛の専門家が24時間薄毛の質問や相談を受け付けております。
10時~18時にてご連絡いただけた際には、専門家から平均約60分で返答があるとのことでした。(2021年5月-9月実績)
皆さんの薄毛やAGAに関するお悩みに対して、医師の経験や知識をもとに回答させていただきます。
薄毛やAGAに関する記事を調べれば調べるほど、「どういうことなのか、何が正しいのかよくわからなくなってきた」という声もよく耳にしますので、ぜひ一度公式LINEにて専門家に質問してみてはいかがでしょうか?
天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
- 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
- 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。