【医師が解説】フィナステリド(プロペシア)の副作用と対策について
【治療前に抑えておきたいAGA治療のリスクについて】プロペシア(フィナステリド)は国内AGA治療の定番薬ですが、性機能障害や肝機能障害などの副作用リスクがあると言われています。では、どの程度の確率で、どのような症状があるのでしょうか。副作用の回避方法も含めて医師が徹底解説します。
■ 本記事のサマリ
- フィナステリド(プロペシア)の
副作用の確率は5-6%程度と稀 - フィナステリド(プロペシア)の
副作用症状は軽度かつ一過性 - 副作用リスクを下げるなら
クリニックでの治療を推奨
フィナステリド(プロペシア)の副作用の各症状についてはこちらの記事もご覧ください
▼「フィナステリドでEDになった!?どうやったら治る?」
▼「フィナステリドで肝機能が悪くなる?」
▼「フィナステリドでうつ病になるってホント?」
▼「フィナステリドで副作用が起きる確率はどれくらい?」
フィナステリド(プロペシア)の
副作用の確率は5-6%程度と稀
フィナステリド(プロペシア)の副作用の発生確率は、過去複数の研究を参照すると、約6-7%の方が経験しているようです。
具体的な症状として、下記のような副作用が出る可能性があると言われています。
フィナステリド(プロペシア)の副作用(例):
- 1~5%:リピドー(性欲)減退
- 1%未満:勃起機能不全、射精障害、精液量減少
- 頻度不明:頭皮のかゆみ、抑うつ、肝機能障害など
*1 ORGANON PRO「プロペシア® 臨床成績<国内データ(1年)>」
*2 吉竹 俊裕.「日本人の男性型脱毛症に対するフィナステリド長期投与の801例調査」
*3 M. Yanagisawa et al. Long-term (10-year) efficacy of finasteride in 523 Japanese men with androgenetic alopecia. Jan 2019
EDや肝機能障害など
症状単位での発生率は1%未満
特に、フィナステリド(プロペシア)の副作用で心配される性機能障害(ED)や肝機能障害に関しては、いずれも副作用発生率は1%程度と言われています。
最も発生率が高いと言われる性機能不全のうち、ED(勃起障害)は、おおよそ1%未満の報告が多く、高くても3%程度のようです。
また、肝機能障害は更に発生率が低く、ほとんどの報告が1%未満となっています。
更に、抑うつ症状やじんましんなどの症状も、1%未満の報告がほとんどです。
これらのことからも、一つ一つの症状に焦点を当てて考えてみると、フィナステリド(プロペシア)の副作用各症状の発生率はいずれも1%未満、高くても3%程度といえるでしょう。
なお、EDをはじめとした性機能障害や性欲減退は、精神的な影響も大きいと考えられています。
副作用に不安を抱えたまま治療することで性機能障害が起きてしまい、副作用の報告率が若干高くなっている可能性も否定できません。
フィナステリド(プロペシア)の
副作用症状は軽度かつ一過性
また、フィナステリド(プロペシア)の副作用は、服用を中止することでほとんどが回復すると言われています。
これには、フィナステリドは体内で24時間以内に分解され、効果を失っていくことが理由の一つとして挙げられます。(これを薬の”代謝”といいます)
通常は、フィナステリドが分解され切る前に、毎日薬を続けて飲むことで、血中濃度を一定に保ち、効果を継続させています。
ここで副作用が発生した際には、一度服用を中止することで、薬は速やかに代謝されていきます。
やがて、服用中止1~2日後には体内からほぼフィナステリドが無くなり、フィナステリド起因で発生していた副作用症状も改善されることが期待できるのです。
実際、過去複数の研究で、フィナステリドの副作用全般が一過性であったと報告されています。
更に、ヘアテクトで治療された患者様でも同様の傾向が見られています。
例えば、へアテクトの患者様のうち、副作用報告をされた患者様37名に実施したアンケート調査では、服用中止するほどの副作用症状が出たと思われる回答者は8名でしたが、その後の服用中止により全員が副作用が改善したと回答されました。*¹
医薬品である以上、副作用が絶対に起こらないとは言い切れませんが、過度に心配する必要はないと考えられます。
※分析概要
解析対象/へアテクト患者様のうち、2023年4月に治療を開始された患者様2,452名
アンケート対象/解析対象者のうち、2023年4月~5月の間に副作用と思われる症状を報告された方
調査期間/2023年7月13日~7月20日
副作用リスクを下げるなら
クリニックでの治療を推奨
それでも「少しでも副作用リスクを下げたい」という方は、クリニックでの治療を推奨します。
副作用の発生率は個人の体質や体調等によって大きく変わります。
自分の身体に合った治療を受けるには、医師等の専門家に治療薬の組み合わせや用量を調節してもらうことが重要です。
ネット通販などで安価に薬を購入して治療する方法もありますが、これらの販売経路には医師などのチェックが入っていません。
そのため、個人販売品のフィナステリドを利用すると、薬の信頼性が無いのはもちろん、自分の身体に合っていない薬や用量を選択してしまい、副作用リスクが大きくなる可能性があるのです。
このような理由から、患者様に健康に治療を続けていただくという観点で個人輸入品は推奨できません。
なお、最近では、個人輸入品と同等程度の価格で、オンライン診療やチャットからいつでも医師や専門家に相談できるクリニックも増えてきました。
できるだけ安全に治療を継続するためにも、自分が通いやすいクリニックを選ぶことをお勧めします。
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まずは自分に合った治療法や、無理なく続ける治療選択について、是非一度公式LINEにて専門家に質問してみてはいかがでしょうか?
天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
- 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
- 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。