フィナステリド(プロペシア)で副作用が起きる確率はどれくらい?実際の治療実績を元に副作用発生率を検証
プロペシア(フィナステリド)の副作用発生率は軽度な症状も含めると約5-6%程度の方で発症すると言われています。では、EDや肝機能障害など気になる症状はどの程度発症するものでしょうか。本記事ではプロペシア(フィナステリド)の副作用発生率について、実際の治療実績を元にご紹介していきます。
■ 本記事のサマリ
- フィナステリド(プロペシア)の
副作用の確率は5-6%程度だが
ほとんどが治療を継続できるレベル - 性機能障害(EDなど)や
肝機能障害の発生率は1%程度 - フィナステリド(プロペシア)の
副作用は服用中止でほぼ消失する - 安全な治療を行うためにも
相談しやすい医療機関がお勧め
フィナステリド(プロペシア)の
副作用の確率は6-7%程度、
ほとんどが治療を継続できるレベル
フィナステリド(プロペシア)の副作用の発生確率は、過去複数の研究を参照すると、約6-7%の方が経験しているようです。
しかし、この確率だけで一概にリスクは判断できず、多くの研究でフィナステリドの副作用は治療を継続できるレベルのものだったと報告されています。
- 約10年間、532名で治療した研究*³
副作用を訴えた36例の全てが軽度な症状だった - 12本の論文(3,927名)レビューを元にした研究*⁴
フィナステリドの副作用による治療中断リスクは、プラセボ群(フィナステリドで治療しなかった群)と同じ程度だった - ヘアテクトの治療患者2,452名のアンケート調査*⁵
副作用を報告した85名中91%(77名)が治療を継続していた
実際に、日本国内のAGA治療において、過去数十年間に渡りフィナステリドが医師から採用され続けており、たくさんの患者様が治療を継続されていることからも、過度に心配しすぎる必要は無いでしょう。
*1 ORGANON PRO「プロペシア® 臨床成績<国内データ(1年)>」
*2 吉竹 俊裕.「日本人の男性型脱毛症に対するフィナステリド長期投与の801例調査」
*3 M. Yanagisawa et al. Long-term (10-year) efficacy of finasteride in 523 Japanese men with androgenetic alopecia. Jan 2019
*4 Mella JM, et al. Efficacy and safety of finasteride therapy for androgenetic alopecia. Arch Dermatol. 2010;146:1141–1150.
*5 分析概要
解析対象/へアテクト患者様のうち、2023年4月に治療を開始された患者様2,452名
アンケート対象/解析対象者のうち、2023年4月~5月の間に副作用と思われる症状を報告された方
調査期間/2023年7月13日~7月20日
性機能障害(EDなど)や
肝機能障害の発生率は1%程度
また、特に気になる性機能障害(ED)や肝機能障害に関しては、いずれも副作用発生率は1%程度と言われています。
ED(勃起障害)は、おおよそ1%未満の報告が多く、高くても3%程度のようです。
なお、EDをはじめとした性機能障害や性欲減退は、精神的な影響も大きいと考えられています。
副作用に不安を抱えたまま治療することで性機能障害が起きてしまい、副作用の報告率が若干高くなっている可能性も否定できません。
一方、肝機能障害は更に発生率が低く、ほとんどの報告が1%未満となっています。
更に、抑うつ症状やじんましんなどの症状も、1%未満の報告がほとんどです。
これらのことからも、一つ一つの症状に焦点を当てて考えてみると、フィナステリド(プロペシア)の副作用各症状の発生率はいずれも1%未満、高くても3%程度といえるでしょう。
フィナステリド(プロペシア)の副作用の各症状についてはこちらの記事もご覧ください
▼「フィナステリド(プロペシア)でEDになった!?どうやったら治る?実際の患者様の症例を元に医師が解説」
▼「フィナステリド(プロペシア)で肝機能が悪くなる?キケンな副作用の実態を医師が解説」
▼「フィナステリド(プロペシア)でうつ病になるってホント?フィナステリドとうつ病の関連性を医師が解説」
フィナステリド(プロペシア)の
副作用は服用中止でほぼ消失する
また、フィナステリド(プロペシア)の副作用は、服用を中止することでほとんどが回復すると言われています。
そもそもフィナステリドは体内で24時間以内に分解され、効果を失っていきます。(これを薬の”代謝”といいます)
そのため、普段は毎日薬を続けて飲むことで、体内のフィナステリドの血中濃度を一定に保ち、効果を継続させています。
しかし、副作用が発生した際には一度服用を中止することで、薬は速やかに代謝され、中止1~2日後には体内からほぼフィナステリドが無くなり、フィナステリド起因で発生していた副作用症状も改善されることが期待できるのです。
実際、過去複数の研究で、フィナステリドの副作用全般が一過性であったと報告されています。
更に、ヘアテクトで治療された患者様でも同様の傾向が見られています。
例えば、へアテクトの患者様のうち、副作用報告をされた患者様37名に実施したアンケート調査では、服用中止するほどの副作用症状が出たと思われる回答者は8名でしたが、その後の服用中止により全員が副作用が改善したと回答されました。*¹
安全な治療を行うためにも
相談しやすい医療機関がお勧め
フィナステリド(プロペシア)で副作用が起こる確率は6-7%前後と考えられています。
ただし、ほとんどは軽度な症状かつ、服用中止で症状が改善すると報告されており、副作用について過度に心配しすぎる必要は無いでしょう。
一方で、副作用の発生率は個人の体質や体調等によっても異なります。
ここで、フィナステリドによる副作用のリスクを軽減したり、万が一のときに最適な対策を取るため重要となるのが、医師の適切な指示の下での治療です。
最近のクリニックではオンライン診療やチャットでいつでも医師や専門家に相談できる先が増えてきました。
できるだけ安全に治療を継続するためにも、自分が通いやすいクリニックを選ぶことをお勧めします。
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天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。