フィナステリド(プロペシア)とは?薄毛に効果アリ?リスクはどれくらい?AGAの定番薬を徹底解説

治療前に知っておきたいフィナステリド(プロペシア)の全部を医師が解説。フィナステリド(プロペシア)はAGAの原因に直接効果を示す薬です。90%以上の方に効果があると言われています。では、副作用リスクや価格はどの程度なのでしょうか。本記事ではお勧めのフィナステリド治療法も含めて医師が解説します。

目次

フィナステリドの"効果"
薄毛の原因を直接抑えて
抜け毛を減らす

フィナステリド(プロペシア)は、抜け毛を減らし、薄毛の進行を止める効果を持ちます。

直接発毛を促す効果というよりも、髪が抜けなくなり、しっかり健康に育つことで発毛効果が実感できるお薬です。

フィナステリドはAGAの原因を
"直接"抑えられる数少ない効果を持つ

男性の薄毛のほとんどを占めるAGAは、特定の男性ホルモン(DHT;ジヒドロテストステロン)が原因となって抜け毛が増える、進行性の薄毛疾患です。

フィナステリドは、AGAの原因となるDHT産生のために必要な酵素(5αリダクターゼ)を直接抑える効果を持ちます。

これにより、フィナステリドは、抜け毛を減らし、これ以上髪の毛が減らなくなる効果を示せるのです。

なお、このようにAGAの原因に直接効果を示すことができる、国内で認証された薬は現時点でフィナステリドとデュタステリドのみです。

フィナステリド(プロペシア)は
90%以上が効果を実感

このように直接AGAの原因を抑える効果を持つことから、フィナステリドは複数の論文で90%以上に効果があることが示されています。

医師の信頼性も高く、日本における男性型脱毛症(AGA)の定番薬として、多くのクリニックで採用されている薬です。

一例として、プロペシアの開発時に行われた日本国内での研究をご紹介します。

この研究では、写真から患者の毛髪量を評価したところ、

  • 治療後1年で、98%が効果あり(毛量維持+改善)
  • 治療後3年で、+20%が毛量改善

という結果が出ています。

更に、実際の治療実績でも先行研究と同様の傾向がみられています。

ヘアテクトで、フィナステリド1.3mgのみで治療された患者様1,468名へのアンケート結果のご紹介です。

のアンケートでは下記のような結果になりました。

  • 治療後6ヶ月で、73.2%が効果実感*
  • 治療後1年以上で、93.9%が効果実感*

*いずれも効果実感=毛量改善+維持としています

これらの結果からも、フィナステリド1mgは1年以上の服用で
90%以上の人の薄毛の進行が止まり、更に服用継続で効果が高まることが期待できるといえるでしょう。

フィナステリドは効果が出るまで
最低6ヶ月~1年必要

なお、一般的に、AGA治療の効果は、治療効果が目に見えるまで半年が目安と言われています。

これは、フィナステリド(プロペシア)の添付文書(薬の説明書)上でも説明されています。

効果が出るまでに時間が掛かる理由には、髪の生え変わり期間が関係しています。
髪の毛の伸びるスピードはとてもゆっくりで、1cm伸びるためには約1ヶ月必要です。
通常、髪が生え変わって成長しきるまで2~6年掛かると言われています。

このため、AGAで細くなってしまった古い毛が抜けて、新しい元気な髪が目に見えて増えるまでには最低半年は必要になるのです。

これはフィナステリドに限らず、AGA治療薬全般に共通しています。

しかし、言い換えればフィナステリドは半年~1年継続すれば90%以上の方で薄毛の進行が改善する対策方法と言えるのです。

即効性がない点でもどかしいと感じることもあると思いますが、フィナステリドで治療する場合は、まずは半年~1年の継続をお勧めします。

▼フィナステリドの効果についてはこちらの記事もご覧ください

フィナステリドは薄毛に効果アリ?服用期間ごとの効果や途中で止めた場合まで徹底解説!

フィナステリドの"副作用"
多くが軽度かつ服用中止で解消

フィナステリド(プロペシア)の副作用の発生確率は、過去複数の研究を参照すると、約6-7%の方が経験しているようです。

具体的な症状として、下記のような副作用が出る可能性があると言われています。

フィナステリド(プロペシア)の副作用(例):

  • 1~5%:リピドー(性欲)減退
  • 1%未満:勃起機能不全、射精障害、精液量減少
  • 頻度不明:頭皮のかゆみ、抑うつ、肝機能障害など

上記や過去複数の研究を踏まえると、全ての副作用を合わせても5-6%であり、一つ一つの症状に焦点を当てて考えてみると、フィナステリド(プロペシア)の副作用各症状の発生率はいずれも1%未満、高くても3%程度といえるでしょう。

*1 ORGANON PRO「プロペシア® 臨床成績<国内データ(1年)>」
*2 吉竹 俊裕.「日本人の男性型脱毛症に対するフィナステリド長期投与の801例調査」
*3 M. Yanagisawa et al. Long-term (10-year) efficacy of finasteride in 523 Japanese men with androgenetic alopecia. Jan 2019

フィナステリドの副作用症状は
多くが軽度かつ、服用中止で解消される

更に、フィナステリド(プロペシア)の副作用は、服用を中止することでほとんどが回復すると言われています。

これには、フィナステリドは体内で24時間以内に分解され、体外に排出されていくことが理由の一つとして挙げられます。

一度服用をやめてしまえば、服用中止1~2日後には体内からほぼフィナステリドが無くなるため、フィナステリド起因で発生していた副作用症状も改善されることが期待できるのです。

実際、過去複数の研究で、フィナステリドの副作用全般が一過性であったと報告されています。

更に、ヘアテクトで治療された実際の治療実績でも同様の傾向が見られています。

へアテクトの患者様のうち、副作用報告をされた患者様37名に実施したアンケート調査では、服用中止するほどの副作用症状が出たと思われる回答者は8名でしたが、その後の服用中止により全員が副作用が改善したと回答されました。*¹

医薬品である以上、副作用が絶対に起こらないとは言い切れませんが、過度に心配する必要はないと考えられます。

※分析概要
解析対象/へアテクト患者様のうち、2023年4月に治療を開始された患者様2,452名
アンケート対象/解析対象者のうち、2023年4月~5月の間に副作用と思われる症状を報告された方
調査期間/2023年7月13日~7月20日

▼フィナステリド(プロペシア)の副作用についてはこちらの記事もご覧ください

【医師が解説】フィナステリド(プロペシア)の副作用と対策について

フィナステリド開始後の
抜け毛の増加は"初期脱毛"かも

また、フィナステリド服用開始直後の抜け毛の増加は、副作用ではなく「初期脱毛」の可能性があります。

初期脱毛とは、フィナステリドなどのAGA治療薬の効果で、新しく育った髪の毛が、頭皮の下から古い髪の毛を押し出すことで発生する症状です。

つまり、初期脱毛は新しい髪の毛がこれから生える兆候=「効果の現れ」ともいえるのです。

初期脱毛は、治療開始2-3週間頃から始まり、3ヶ月程度で収まると言われています。

治療初期に抜け毛が増加すると不安になる方も多いと思いますが、やがて収まる症状のため、効果の現れと考えて根気強く治療を続けることを推奨します。

▼フィナステリド(プロペシア)の初期脱毛についてはこちらの記事もご覧ください

フィナステリドの初期脱毛はいつまで?いつ、どれくらいの人で発生するの?

フィナステリドと
ザガーロ・ミノキシジルの違いは?

ここからは、フィナステリドとデュタステリド(ザガーロ)、ミノキシジルの違いについて紹介していきます。

費用対効果ならフィナステリド
効果重視ならデュタステリド

デュタステリドは、AGAに対しフィナステリドと同じような仕組みで効果を示す薬です。

そのため、フィナステリドとデュタステリドは併用できず、どちらか一方を選ぶ必要があります。

薄毛対策効果については、デュタステリドの方がフィナステリドより高いといわれています。
一方、効果が高い分、副作用の発生率や価格もデュタステリドの方が高くなる傾向があります。

ここで注意しておきたい点として、デュタステリドの方が高い効果が期待できる一方で、フィナステリドも90%以上の方に薄毛対策効果が期待できることが、複数の研究で証明されています。

このことからも、これから初めてAGA治療を始められるという方には、まずは効果と費用感のバランスの取れたフィナステリドでの治療開始をおすすめします。

一方で、しっかり発毛を期待したい、できるだけ高い効果を狙いたいという方は、デュタステリドを選ぶと良いでしょう。

▼フィナステリド(プロペシア)とデュタステリドの比較についてはこちらの記事もご覧ください

プロペシア(フィナステリド)とザガーロ(デュタステリド)はどちらが良い?

フィナステリドの効果を
更に高めるならミノキシジル

ミノキシジルは、AGAに対し、フィナステリドとは異なる仕組みで効果を示す薬です。

前述の通り、フィナステリドは「抜け毛を減らし、薄毛の進行を止める」効果を持ちます。

一方で、ミノキシジルは血流促進等で「髪の成長を促す」別の効果があります。

つまり、

  • フィナステリドの薄毛を止める守りの効果
  • ミノキシジルの髪の成長を促す攻めの効果

この2つを併用することで、フィナステリドやミノキシジル単剤よりもしっかりとした毛量の増加が期待できるのです。

実際に、へアテクトで1年以上治療した患者様にアンケート調査を行ったところ、効果実感はいずれも90%以上あったものの、毛量“改善”実感があった方は

  • フィナステリド単剤で毛量改善8%
  • フィナステリド+ミノキシジル(錠剤)で毛量改善60%

という結果になりました。

このことからも、毛量を改善したい場合はフィナステリド単剤ではなく、ミノキシジルの併用をお勧めします。

▼フィナステリド(プロペシア)とミノキシジルの併用についてはこちらの記事もご覧ください

フィナステリド(プロペシア)とミノキシジルは併用できる?

費用対効果ならプロペシアより
ジェネリック製品を推奨

フィナステリドで治療する場合、費用対効果の面ではクリニックで処方される海外製フィナステリドが最もお勧めです。

現在、国内でフィナステリドで治療するなら下記の3種類の方法が挙げられます。

  1. フィナステリド先発品(プロペシア)
  2. 国内製ジェネリック(フィナステリド「サワイ」など)
  3. 海外製ジェネリック(フィナステリド1.3mg、フィンペシアなど)

ここで重要なのは、フィナステリドはジェネリックでも90%程度の方に効果が期待できると言われている点になります。

なぜなら、薬の効果を決める「有効成分量(フィナステリドの含有量)」が同等に含まれているからです。

一方で、価格についてはジェネリックのほうが安価です。

これは、開発費用がオリジナルの製品(先発品)であるプロペシアほどかからないことが理由になります。

一般的に、フィナステリドの価格帯は下記の順で安価になっていきます。

このうち、最後の「海外製ジェネリック」が最も価格を抑えて治療できますが、入手経路によってはリスクが伴うため注意が必要です。

通販で購入する個人輸入品はリスク
医師が処方するクリニックの海外製品を

例えば、フィナステリド(プロペシア)のジェネリックは通販でも入手することが可能です。

しかし、個人輸入品は専門家の検査が入っていないため、効果が出なかったり、副作用などが発生するリスクがあるのです。

実際、ED薬のデータではありますが、大手製薬会社による調査*ではインターネットで購入したED薬のうち約4割が偽造品という報告もあるほどです。

一方で、冒頭にご紹介したクリニックなどの医療機関が処方する海外製品は医師や専門家が成分や製造過程を検収した上で利用されているため、信頼性が一定高いといえます。

これらのことからも、費用対効果を取るなら医療機関の処方する海外製品の利用をお勧めします。

* ファイザー株式会社, バイエル株式会社, 日本新薬株式会社, 日本イーライリリー株式会社『インターネットで入手したED治療薬の約4割が偽造品

▼フィナステリド(プロペシア)のジェネリックについてはこちらの記事もご覧ください

プロペシアのジェネリックは効かない?後発品フィナステリド錠について徹底解説

フィナステリドを正しく理解して
AGA治療に取り組もう

フィナステリドとは、AGAを進行させる原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を直接抑える治療薬です。

プロペシアという商品名でも知られています。フィナステリドを服用した多くの方が効果を実感しているため、クリニックでもよく処方される薬の1つです。

効果が実感できるまでに6か月ほどかかるので、根気よく継続して服用することがAGAを改善する鍵となります。

安いからという理由で個人輸入したものを使うと、思わぬ副作用が出たり成分がほとんど入っていなかったりするため、注意が必要です。

ご自身の健康を守りしっかり効果を実感するためにもクリニックで診療を受けてから処方してもらうようにしてください。

ヘアテクトなら、24時間以内に専門家が質問にすぐに回答いたします

ヘアテクトでは、薄毛の専門家が24時間薄毛の質問や相談を受け付けております。

10時~18時にてご連絡いただけた際には、専門家から平均約60分で返答があるとのことでした。(2021年5月-9月実績)

皆さんの薄毛やAGAに関するお悩みに対して、医師の経験や知識をもとに回答させていただきます。

薄毛やAGAに関する記事を調べれば調べるほど、「どういうことなのか、何が正しいのかよくわからなくなってきた」という声もよく耳にしますので、ぜひ一度公式LINEにて専門家に質問してみてはいかがでしょうか?

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。

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