フィナステリド(プロペシア)で肝機能が悪くなる?キケンな副作用の実態を医師が解説
プロペシア(フィナステリド)は肝機能を悪化させる可能性がありますが、実際には非常に低い確率と言われています。ではどの程度の方が肝機能が悪くなる可能性があるのでしょうか。また、肝機能が悪くなった場合どう治療するのかも含め、実際の治療事例を元に医師がご紹介していきます。
■ 本記事のサマリ
- フィナステリド(プロペシア)で
肝機能が悪くなる確率は1%未満 - フィナステリド(プロペシア)の
副作用は服用中止でほぼ消失する - 安全な治療を行うためにも
医療機関での治療を推奨
フィナステリド(プロペシア)で
肝機能が悪くなる確率は1%未満
フィナステリド(プロペシア)は肝機能を低下させる可能性があるお薬です。
しかし、実際のところ、フィナステリドで重篤な肝障害が発生する確率は1%未満と報告されています。
まずは過去の調査の事例を紹介していきます。
- プロペシアの製造販売後調査
約3年間で収集された症例943件のうち、肝機能障害、肝機能異常を訴えた症例はそれぞれ1件のみ(0.2%)だった - ヘアテクトの治療実績
約1ヶ月間で収集された症例2,452件のうち、肝機能障害、肝機能異常を訴えた症例は1件のみ(0.04%)だった
研究の実施体制や治療期間によっても副作用報告率は異なりますが、いずれも1%未満の報告であり、肝機能障害の発生率は非常に稀と言えるでしょう。
フィナステリドは特別じゃない!?
実は、普段の風邪薬でも「肝機能障害」は
注意喚起されている
「肝機能障害」というと不安になる方も多いと思いますが、実は、「肝機能障害」は市販の風邪薬も含め、多くの薬で注意されている副作用です。
これには、医薬品の多くが肝臓で代謝されることが関連しています。
医薬品が肝臓で代謝されると、当然肝臓には一定の負担がかかります。
この時、過度に肝臓に負担がかかってしまったり、例えば服用前から肝臓が弱っていたりすると、肝機能障害が発生する可能性があるのです。
こういった万が一のリスクに備えられるよう、医薬品の多くで、発生率は非常に低い場合でも「肝機能障害」に対する注意喚起が記載されているのです。
上記のリスクがある以上は100%安全とは言い切れませんが、上記のことからも適切に医薬品を服用していれば発生頻度は極めて低く、過度に心配しすぎる必要はないでしょう。
フィナステリド(プロペシア)の
副作用は服用中止でほぼ消失する
万が一、肝機能障害が発生した場合でも、服用を中止することでほとんどは回復できると言われています。
そもそも肝臓は少し損傷した程度であれば、適切な休養で再生することができる回復力の高い臓器です。
実際、日本薬学会でも「(薬剤性肝障害の)多くは、原因となった薬の中止で症状は改善し、その後の予後は良好」と説明されています。*¹
また、フィナステリドの副作用自体も、肝機能障害に限らず服用中止でほとんどが回復すると、過去複数の研究で言われています。
更に、実際にヘアテクトにで治療された患者様でも同様の傾向が見られています。
例えば、へアテクトの患者様のうち、副作用報告をされた患者様37名に実施したアンケート調査では、服用中止するほどの副作用症状が出たと思われる回答者は8名でしたが、その後の服用中止により全員が副作用が改善したと回答されました。*²
*1 公益社団法人日本薬学会HP「健康豆知識|薬剤性肝障害」より
*2 分析概要
解析対象/へアテクト患者様のうち、2023年4月に治療を開始された患者様2,452名
アンケート対象/解析対象者のうち、2023年4月~5月の間に副作用と思われる症状を報告された方
調査期間/2023年7月13日~7月20日
安全な治療を行うためにも
医療機関での治療を推奨
フィナステリド(プロペシア)で肝機能障害が起こる確率は1%未満で非常に稀と言われています。
そもそも肝機能障害は、お薬が肝臓で代謝されることに関連しており、自分の身体状態に合わせて適切に服用することで、リスクを最小限に軽減することができます。
また、万が一肝機能が低下した場合でも、服用中止でほとんどの肝機能が改善されます。
これらの副作用リスクを軽減したり、万が一のときに最適な対策を取るため重要となるのが、医師の適切な指示の下での治療です。
自分の肝機能に対して、フィナステリドの服用量が適切か、万が一のときに減量すべきか、中断すべきか、などの判断を個人が独断で行うのは難しいケースが多いです。
最近のクリニックではオンライン診療やチャットでいつでも医師や専門家に相談できる先が増えてきました。
肝機能障害の発生リスクや、万が一発生した場合に安全に治療するためにも、自分が通いやすいクリニックを選ぶことをお勧めします。
ヘアテクトなら、24時間以内に専門家が質問にすぐに回答いたします
ヘアテクトでは、薄毛の専門家が24時間薄毛の質問や相談を受け付けております。
10時~18時にてご連絡いただけた際には、専門家から平均約60分で返答があるとのことでした。(2021年5月-9月実績)
皆さんの薄毛やAGAに関するお悩みに対して、医師の経験や知識をもとに回答させていただきます。
薄毛やAGAに関する記事を調べれば調べるほど、「どういうことなのか、何が正しいのかよくわからなくなってきた」という声もよく耳にしますので、ぜひ一度公式LINEにて専門家に質問してみてはいかがでしょうか?
天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
- 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
- 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。