ザガーロはやめとけと言われる理由|デュタステリドの効果や副作用

「ザガーロはやめとけといわれるのはなぜ?」「AGAにザガーロは本当に効果があるの?」と疑問に思っている方に向けて、この記事ではやめとけといわれる理由やザガーロの効果、服用をやめることのリスクなどについて解説しています。

目次

「ザガーロはやめとけとよく聞くけど、何か理由があるの?」
「AGA治療にザガーロは使わないほうがいいの?」

ガーロで発毛効果が出たという口コミがある一方で、やめとけといわれる方もいます。安全性や有効性がしっかり確認されているザガーロで、このような声がなぜ挙がってしまうのでしょうか。

今回は、「ザガーロはやめとけ」といわれる詳しい理由やザガーロの効果などについて解説します。ザガーロをやめてしまうデメリットについても紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

■ 本記事のサマリ

  • ザガーロは有効性が検証されており、治療ガイドラインでも利用推奨される安全面と効果面に優れた薬
  • 服用を止めるメリットとして金銭負担や副作用の心配の解消が挙げられる
  • しかし、AGAは完治しないため、治療を止めることで薄毛が進行してしまう危険性もあるため注意

ザガーロの有効成分はデュタステリド

ザガーロとは、グラクソ・スミス・クライン株式会社が販売しているAGA(男性型脱毛症)の治療薬です。有効成分としてデュタステリドが含まれています。

現在販売されているのは、ザガーロカプセル0.1mgとザガーロカプセル0.5mgの2種類です。ジヒドロテストステロン(DHT)の生成に必要な5αリダクターゼ(5α還元酵素)の働きを阻害することで効果を発揮します。

デュタステリドはAGA(薄毛)治療に効果あり

デュタステリドは、AGAの治療に対してしっかりとした効果が認められています。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」に「男性型脱毛症にはデュタステリド内服を行うよう強く勧める」と書かれていることからも、効果の高さが認められていることがわかるでしょう。

4,950名の男性を対象にデュタステリドを1日に0.5mg服用してもらう試験を行ったところ、頭髪写真評価でプラセボ(偽薬)よりも優れた効果が確認されています*。
*Gupta AK, et al. The efficacy and safety of 5α-reductase inhibitors in androgenetic alopecia: a network meta-analysis and benefit-risk assessment of finasteride and dutasteride, J Dermatolog Treat, 2014; 25:156-161

デュタステリドはAGA治療への効果が医学的に認められているため、治療薬の一つとして採用しているクリニックがほとんどです。

ザガーロの方がプロペシアより効果は高い

プロペシアも「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」で「強く勧める」とされているAGA治療薬です。

5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型の2種類があり、ザガーロは両方を阻害することができます。

一方でプロペシアは、Ⅱ型の5αリダクターゼのみしか阻害できません。
そのため、プロペシアよりもザガーロのほうが効果が出やすいと考えられています。

実際にプロペシアの有効成分であるフィナステリドとデュタステリドの効果について比較する試験を行ったところ、デュタステリドのほうが毛髪数と毛直径については優れた効果が見られました*。
*Gubelin Harcha W, et al. A randomized, active- and placebo-controlled study of the efficacy and safety of different doses of dutasteride versus placebo and finasteride in the treatment of male subjects with androgenetic alopecia, J Am Acad Dermatol, 2014; 70: 489-498

ただし、ザガーロとプロペシアとで大きな差はないという考えもあるため、一概にザガーロのほうが優れているとはいえません。

ザガーロは「抜け毛を抑える」効果
ミノキシジルは「発毛を促す」効果

ミノキシジルの外用薬は「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」で「強く勧める」とされています。
内服薬は「行うべきではない」とされていますが、効果や安全性が明らかになってきているため、クリニックで治療に用いられることは少なくありません。

ミノキシジルは、血行をよくしたり毛母細胞を刺激してヘアサイクルを整えたりすることで発毛を促す成分です。外用薬と内服薬の2種類があり、濃度が5%までの外用薬なら薬局やドラッグストアでも購入できます。

ザガーロ(デュタステリド)やめとけという人の意見

ザガーロは効果も安全性もしっかり確立されており、実際に多くの方がこれまでに発毛効果を実感している定番の治療薬です。

しかし、一部で「ザガーロはやめとけ」という声が聞かれます。やめとけといっている方の発言をよく観察してみると、次のような意見をもっていることがわかりました。

金銭的な負担が大きい

ザガーロは1ヶ月あたり約8,000〜10,000円が相場です。

発毛効果が出るまで6ヶ月はかかるといわれているため、最低でも48,000円は必要になります。

1年、2年と治療を続けるとさらに金銭負担が大きくなるため、続けるのがつらいと感じてしまうこともあるでしょう。

AGA治療は長い期間をかけて治療を継続していく必要があります。
そのため、コストの面から「お金に余裕がないと治療を続けられないからザガーロはやめとけ」といわれるケースがあるようです。

デュタステリドによる副作用が心配

デュタステリドを用いた臨床試験では、1日0.5mgの服用を52週間続けた方のうち16.7%で副作用が見られました*¹。
一方でプロペシアでは、1mgの服用を96週間続けた方のうち副作用が出たのはわずか1.6%*²です。
*1 ザガーロカプセル 添付文書
*2 プロペシア錠 添付文書

同じような仕組みで働くプロペシアと比べると、副作用が出る確率が約10倍も高いため、ザガーロは体に悪い薬だと思ってしまう方もいるでしょう。
副作用が出やすい薬はできるだけ避けたいと思うのは、ごく当たり前の感情です。

クリニックでは、副作用や効果のバランス、患者さんの体質を見て治療薬を決めるため過度な心配はいりません。しかし副作用の数字だけを見て「やめとけ」と思われる方もいます。

AGA(薄毛)への効果が感じられない

ザガーロを飲んだすべての方が効果を実感しているわけではありません。
服用を続けても抜け毛の量が減らず、飲んでも意味がないと感じている方もいます。

効果が出なかった方にとって、ザガーロは手間と出費が増えるだけのものでしかないかもしれません。

しかし、ザガーロは発毛効果を自分で実感できるまでに約6ヶ月はかかります。数日や数週間ほどしか服用を続けていないのなら、効果が出ないのは当たり前です。

あまりに効果が出るまでに時間がかかるため、「早く薄毛を改善したいならやめとけ」と思ってしまう方もいるのでしょう。

ザガーロやめとけという人に欠けている視点

「ザガーロはやめとけ」といっている方は、欠点ばかりに目がいってほかの情報が入ってきていない可能性があります。

本当にザガーロが治療に不向きなら、クリニックでも使用が取りやめられているはずです。しかし、実際は多くの方が服用を続けています。

治療費用は軽減できる

ザガーロの相場は1ヶ月あたり8,000〜10,000円ですが、次のような工夫をすれば大幅に治療費を下げることが可能です。

  • ジェネリック医薬品を処方してもらう
  • 医師に相談して飲む量を調節してもらう
  • オンライン診断を行っているクリニックで処方してもらう

薬をジェネリック医薬品にすることで、薬剤費は約4,000〜5,000円に抑えられます。

また、ザガーロには0.5mgと0.1mgの2種類があり、0.1mgのほうが価格が安くなることが一般的です。

医師に相談して問題ないようなら、用量を減らしてもらうのもよいでしょう。

更に、オンライン診断をメインに行っているクリニックで治療を行うのも費用を削減するのに効果的です。

オンラインに特化した診療を行っているヘアテクトでは、1ヶ月あたり4,400円からデュタステリド(0.5mg)を服用できます。

費用を軽減する際の注意点

費用を軽減するために、個人輸入をしようと考えている方もいるでしょう。

個人輸入をすると1ヶ月あたり1,000〜2,000円ほどで済むため、かなり経済的です。

しかし、個人輸入の利用はまったくおすすめできません。ザガーロとはまったく違う成分が入っていたり、表記より少ない量の成分しか入っていなかったりすることがあるためです。

まれに、有害成分が混入しており健康被害が出ることもあります。

安いからという理由で飛びつくと、結果として大きな損害を受ける可能性があるため、個人輸入は絶対にしないようにしてください。

ザガーロ(デュタステリド)の副作用リスクは低い

ザガーロを服用した方の16.7%で副作用が見られたと伝えましたが、この数字は一般に流通する前に行われていた臨床試験での結果です。

販売が開始された後に行われる使用成績調査では、4,320例のうち68例(1.57%)でしか副作用は確認されていません*
*1 ザガーロカプセル 医薬品インタビューフォーム

つまり、プロペシアと比べてもザガーロが特別多く副作用が出やすい薬というわけではないのです。
使用成績調査で報告された副作用のうち、とくに多く見られたのは次のものでした。

  • リビドー減退:9例(0.21%)
  • 勃起不全:8例(0.19%)
  • リビドー障害:5例(0.12%)

このほか、勃起不全や射精障害、頭痛や発疹などの副作用も報告されています。

副作用がまったくない薬はそもそも存在しないことを考えると、この程度の確率であれば大きな心配をする必要はないと考えられます。

実際に、ヘアテクトでデュタステリド等のAGA治療薬を使って治療されていた患者様2,452人を対象に調査したデータでも、長期間治療中に発生した副作用は全て軽度で、かつ一過性のものだったことが報告されています。

副作用が出た方のうち91%は症状が軽度で継続服用することを患者様が判断されていました。更に、副作用で治療を完全に中断されたのは7名(0.3%)で、いずれも服用中止後症状が改善したとの報告を受けています。

ザガーロで副作用が出たときの対処法

万が一気になる症状が出たときは、クリニックの医師に相談して服用を続けるかどうか判断してもらってください。

無理して服用を続けると、さらに症状が悪化する可能性があるので早めの相談をお勧めします。

場合によっては、状況に応じてザガーロの服用量を減らしたり、ほかの治療薬に変えたりすることもできるため、医師と相談しながら上手くAGA治療を継続していきましょう。

ザガーロの効果が実感できない理由がある

ザガーロの服用を続けても、効果を実感できない方がいます。薬との相性が関係している場合もありますが、そのほかの要因が絡んでいる場合も少なくありません。

より効果を実感するための心がけ

ザガーロの服用を始めて効果を実感するまでには、約6ヶ月かかります。

服用し始めてからまだ6ヶ月経っていない場合は、発毛を実感できなくても不思議ではありません。

また、頻繁に飲み忘れる方も思うように効果が出ないことがあるでしょう。医師の指示通りに用法用量を守って服用しなければ、効果は十分に発揮されません。

正しく継続的に服用することが、ザガーロで効果を実感しやすくするためのポイントです。

ミノキシジルとの併用を検討する

ザガーロだけで十分な効果が出ない場合は、ミノキシジルと併用してみるのもよいでしょう。

ザガーロでジヒドロテストステロンの生成を阻害し抜け毛を抑制、ミノキシジルでヘアサイクルを整えることで発毛を促進し、より高い発毛効果が実感できます。

併用してみたいと考えている方は、クリニックの医師に相談してみてください。

ザガーロ(デュタステリド)をやめて後悔する人は多い

「ザガーロはやめとけ」という声を鵜呑みにして服用をやめてしまった方のなかには、後悔している方も大勢います。

「本当にやめるべきなのか」「やめたらどうなるのか」というところまでしっかり考えを及ぼすことが大切です。

AGA(男性型脱毛症)で薄毛が進行する

ザガーロの服用をやめると、これまで食い止められていたAGAがまた再発し、薄毛が進行していきます。

あくまでも「服用している間だけAGAの進行を止める薬」なので、やめればまた元に戻ってしまうのです。

ザガーロの服用を続けるかどうかは個人の自由ですが、やめたら治療前の状態へと徐々に戻っていくことは覚悟しておきましょう。

投薬治療以外の選択肢はデメリットが多い

AGAの治療方法には、ザガーロやプロペシア、ミノキシジルなどの投薬方法以外に、注射や自毛植毛などの方法もあります。しかし、これらの方法は積極的に行われているものではありません。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」では、成長因子や細胞移植療法(注射)は「行わないほうがよい」とはっきり書かれています。
効果がないというわけではありませんが、安全性や有効性がまだ十分にわかっていないのです。

自毛植毛に関してはガイドラインで「行うよう勧める」と書かれていますが、100万円以上かかることもありコスト面での負担がとても大きくなっています。そのため、気軽にできる治療とは言いがたいでしょう。

ちなみに、市販で簡単に手に入る育毛剤やサプリメントを使っても、基本的にAGAの治療はできないので注意してください。

育毛剤のなかには発毛効果が確認されている成分が使われている商品もありますが、ザガーロやミノキシジルなどと比べると効果は劣ります。

妊活を始める人はザガーロをやめる検討も

リビドー減退や勃起不全など、性機能障害が副作用で発生する確率は低いものの、妊活を始める場合はザガーロの服用をやめたほうが精神的によい場合もあるでしょう。

「ザガーロのせいでうまくいかないのかもしれない」と考えると、ストレスがたまって余計に妊活へ影響を及ぼしてしまいます。

妊活もしたいけどAGA治療もしたいという方は、性機能障害の副作用が報告されていないミノキシジルが候補となりやすいでしょう。

妊活を考えている方は医師にその旨を伝えると、適切な治療薬を提案してもらえます。

ザガーロ(デュタステリド)やめとけは真に受けないように

「ザガーロはやめとけ」といわれることがあるのは、金銭的な負担が大きかったり副作用が心配だったりすることが関係している場合がほとんどです。

金銭的負担が気になる場合はジェネリック医薬品に変えてもらったりオンライン診断を行っているクリニックを利用したりすることで大きく費用を抑えられます。

副作用については、ザガーロが特別多く出やすいわけではないため、心配しすぎる必要はありません。やめとけという言葉を真に受けて服用を中止すると、AGAが再発したりほかの治療で余計にお金がかかったりすることもあります。

ザガーロの服用に関して不安がある方は、クリニックの医師に相談してみてください。自分が納得できる治療を医師と一緒に見つけて、自信を取り戻していきましょう。

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。

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