フィナステリドを半年使ったが効果が出ない?予想される理由と対策を医師が徹底解説

「フィナステリドを半年使ったが効果が出ない…」こういったお悩みを抱えられる患者様の中には、実はきちんと効果が出ているケースも少なくありません。本記事ではフィナステリドの効果と、効果が出ない場合の対策について医師が解説します。

目次

■ 本記事のサマリ

  • 半年はあくまで「目安」
    2年目以降で効果が出るケースも
  • 見落としがちだが、
    「毛量維持」も効果の現れ
  • 効果を出すための対策は
    正しい服用継続ミノキ/デュタの活用

半年はあくまで「目安」
2年目以降で効果が出るケースも

フィナステリドは治療効果が出るまで半年が目安と言われますが、効果実感までの期間は人により様々です。
実は、治療2年目以降で効果を実感するケースも少なくありません。

過去、複数の研究や治療実績でフィナステリド(プロペシア)は、治療継続により効果実感率が高まるという結果が出ています。

3年間の治療継続で
薄毛改善実感が20%増加

プロペシアの臨床研究では、フィナステリド1mgで薄毛の改善実感がある患者は

  • 治療1年後58%
  • 治療2年後68%
  • 治療3年後78%

と、治療継続に従って改善効果を実感する者の割合が増加しています。

10年間の治療継続で
平均7年目まで薄毛が改善傾向

長期に、532人でフィナステリド1mgを10年間治療した研究では、

  • 平均7年目まで薄毛が改善傾向
  • 一定重症度が高い症例でも3年目までは改善

という結果が出ています。

実際の治療事例でも
1年以上継続で95%が効果を実感

更に、へアテクトでの治療実績でも同様の傾向が見られます。

ヘアテクトでフィナステリド1.3mgのみで治療された患者960人のうち薄毛の維持・改善実感があった患者は

  • 治療3ヶ月~半年85.4%
  • ⇒ 治療1年以上96.3%

という結果になりました。

このように、1年以上の治療継続で効果が高まることは、実際の治療実績でも判明しています。

これは、髪の毛が生え変わるスピードが人によって様々なことや、AGAの重症度が高いと薬の効果が出にくくなることが影響しています。

人によっては治療2年目以降でも効果が現れるため、半年で諦めるのは時期尚早と言えるでしょう。

増毛だけでなく
「毛量維持」も効果の現れ

AGA治療で「効果が出ない」と勘違いしてしまうケースの中に毛量維持効果を見落としている場合があります。

AGAは進行性の薄毛のため、治療しないと、どんどん髪質が細くなり毛量が減少していきます。
AGA患者の毛髪量を調査した研究では、5年間で約1/4の髪の毛が失われたという結果も出ています。

この薄毛の進行を食い止めるのがフィナステリドの効果です。

特に治療半年~1年の初期段階では、治療効果は毛量の改善よりも、まず抜け毛が改善したり、薄毛の進行が止まってきたかに注目すると良いでしょう。

治療2週間~3ヶ月目の抜け毛の増加
(初期脱毛)も効果の現れ

上記の他に、分かりやすい治療効果として「初期脱毛」が挙げられます。

初期脱毛は、治療開始後2週間~3ヶ月程度続く一時的な抜け毛の増加です。

新しく育ち始めた健康的な髪の毛が、古い髪の毛を頭皮から押し出すことで起きる症状です。

抜け毛が増えるため「効果が出ていない」と勘違いされがちですが、むしろこれから健康な髪の毛が育ち始めるサインのため、初期脱毛が出ても治療を中断せず、治療継続することをお勧めします。

なお、必ず全員に起きる症状ではないため、初期脱毛が出ていないからといって効果が出ないわけではないことにも注意しておきましょう。

治療効果を高めるには
毎日の正しい服用から

フィナステリドは90%以上の方が効果を実感できると言われていますが、それでも治療効果が出ない理由として良く挙げられるのは、正しく薬を飲めていないケースになります。

薬は、血中の濃度が一定以上に保たれることで効果を発揮します。

そのため、独断で薬の量を変更したり、飲む時間がバラバラだったり、飲み忘れが続くと効果が落ちてしまいます。

薬を飲む際には

  • 医師に指示された量を
  • 毎日忘れず
  • できるだけ同じ時間帯に服用する

ようにしましょう。

治療効果を更に高めるなら、
ミノキ併用か、デュタへの変更

現在既に治療効果を感じているが、更に効果を高めたい場合は、ミノキシジルの追加か、デュタステリドへの変更をお勧めします。

薬の変更により期待できる効果は下記の通りです。

  • ミノキシジル(髪を生やす効果)の追加
    フィナステリドの「抜け毛改善効果」にミノキシジルの「髪を生やす効果」が加わることで、更なる薄毛改善が期待できます。

  • デュタステリド(フィナステリドより高い効果)に変更
    フィナステリドよりも広範囲に、AGAの原因を抑える効果があるデュタステリドに切り替えることで、更に高い「抜け毛改善効果」が期待できます。

服用半年で諦めるのは時期尚早
少しでも効果実感があれば1年継続を

フィナステリドの効果が出る目安は半年と言われていますが、実際は人により様々です。

過去複数の研究や治療実績を踏まえても、治療1年目以降に効果が出始めるケースも少なくありません。

それでも効果が出ないケースとして、「抜け毛改善」を効果として認識できていなかったり、正しく薬を飲めていない場合が挙げられます。

半年経って、今の治療効果を更に高めたい場合は、髪の毛を生やすミノキシジルの併用、またはフィナステリドより高い効果が見込めるデュタステリドへの変更も検討すると良いでしょう。

しかし、自分に一番合った薬や治療法を選ぶのは難しいケースも多いため、効果や安全面に不安がある場合は、医師や専門家に相談してみることをお勧めします。

ヘアテクトなら、24時間以内に専門家が質問にすぐに回答いたします

ヘアテクトでは、薄毛の専門家が24時間薄毛の質問や相談を受け付けております。

10時~18時にてご連絡いただけた際には、専門家から平均約60分で返答があるとのことでした。(2021年5月-9月実績)

皆さんの薄毛やAGAに関するお悩みに対して、医師の経験や知識をもとに回答させていただきます。

薄毛やAGAに関する記事を調べれば調べるほど、「どういうことなのか、何が正しいのかよくわからなくなってきた」という声もよく耳にしますので、ぜひ一度公式LINEにて専門家に質問してみてはいかがでしょうか?

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。

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