フィナステリドは増量で効果が高まる?フィナステリド2mgの効果を医師が解説

「結局フィナステリドは何mgが一番良いの?」「効果を高めたいけど、2mgに増量しても副作用は大丈夫?」治療選択の上で、薬の用量に悩む方は多いです。実は、薬は多いほど効果が高い訳でも、少なければ安全な訳でもありません。本記事では、治療効果が期待できるフィナステリドの用量と、より効果を高めるためのポイントをご紹介します。

目次

■ 本記事のサマリ

  • フィナステリド2mgに増量しても
    効果が増大するとは限らない
  • フィナステリドは
    1mgでも十分効果が期待できる
  • 更に効果を高めるなら、
    ミノキシジル併用か、デュタステリドに変更

フィナステリド2mgへ増量しても
効果が増大するとは限らない

結論からお伝えすると、1mgから増量しても劇的な効果増大は見込めない可能性が高いです。

そもそも国内では、AGA治療のためのフィナステリドの上限値は1mg*¹と言われています。
2mgはこの上限値を超えているため、非推奨用量になります。

更に、効果は薬の増量に合わせて増えるわけではない点に注意が必要です。

実際にフィナステリド0.01mg、0.2mg、1mg、5mgを毎日服用した研究では、1mgと5mgでその効果に大きな差がなかった*²ことが示されています。

このことからも、効果増大を期待したフィナステリドの2mgへの増量は、結局1mgの効果と変わらない可能性があるため、お勧めできません。

なお、「効果」ではなく「価格を抑える」目的であれば、1mg以上の海外製フィナステリド(1.3mg等)を選択するのも1つの手です。

フィナステリドは1mgを超えたら絶対にNGという訳ではなく、国外では1.3mgや5mgなどの用量で認可されているフィナステリドも存在します。
国外での使用例も含めると、「安全性」は5mg程度までは担保されていると考えてよいでしょう。

効果を高めるなら、フィナ1mgを
半年~1年以上、毎日服用する方が効果的

「折角治療するなら効果を高めたい」という方は、用量よりも正しい服用方法で長期間継続することをお勧めします。
治療を開始される方には、フィナステリド1mgをまずは半年~1年続けてみることをお願いしています。

フィナステリドは1mgでも約90%の方に効果が見込める薬です。

これは過去複数の研究や治療実績でも示されています。
下記ではその一例をご紹介します。

フィナステリド1mgを3年間継続で
98%が効果を実感

プロペシアの臨床研究では、フィナステリド1mgを3年間服用した99人のうち、
78%が薄毛改善、20%で薄毛の進行が止まったと報告

実際の治療実績でも
1年継続で90%以上が効果を実感

ヘアテクトの患者様アンケートでは、フィナステリド1.3mgのみで治療した患者様660人のうち、
1年以上継続して治療された患者の96%が治療効果を実感したと報告

これらを踏まえても、フィナステリドは1mg前後で十分に効果が期待できると言えるでしょう。

しかし、フィナステリドを始めAGA治療薬は目に見えて髪の毛が増量するまでには半年~1年程度かかると言われています。

もし現在治療を始めて半年以内でフィナステリドの効果が出ない、と悩んでいる方は、まずは根気強く半年治療を継続してみてください。

今の治療効果を更に高めるなら、
ミノキ併用か、デュタへの変更

現在既にフィナステリドでの治療を進めており、半年~1年経って更に効果を高めたい場合は、ミノキシジルの併用か、デュタステリドへの変更をお勧めします。

1. 髪の毛を生やすミノキシジルの併用

フィナステリドの効果は、ヘアサイクルを補正して「抜け毛を減らす」一方で、ミノキシジルは血流促進等で「髪の成長を促す」効果を持ちます。

これらを併用することで、抜け毛を抑えながら髪の毛を生やす、より高い効果が期待できるのです。

2. フィナより高い効果が期待できる
デュタステリドへの変更

デュタステリドは、フィナステリドと同じ仕組みでAGAに効く薬ですが、フィナステリドより強い効果があると言われています。

いずれも、AGA の原因に繋がる「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素を抑制し、ヘアサイクルを補正する効果を持ちます。

この5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、

  • フィナステリド:Ⅱ型のみ
  • デュタステリド:Ⅰ型とⅡ型

を抑制するため、デュタステリドの方がより強い効果が期待できると言われているのです。

自分の症状に合った薬の飲み方は
医師に気軽に相談

効果増大を期待したフィナステリド2mgへの増量はあまりお勧めできません。

なぜなら、過去の研究でフィナステリド1mg以上の増量による効果増大が示されていないためです。

一方、フィナステリドは1mgでも1年以上の継続で90%以上の患者に効果が期待できる薬です。
このことから、薬の効果を出すには、1mg以上の増量よりも、適切な服用を1年以上続けることをお勧めします。

1年以上治療している患者様で更に効果を高めたい場合は、
髪の毛を生やすミノキシジルの併用、またはフィナステリドより高い効果が見込めるデュタステリドへの変更も検討すると良いでしょう。

しかし、自分に一番合った薬や治療法を選ぶのは難しいケースも多いため、効果や安全面に不安がある場合は、医師や専門家に相談してみることをお勧めします。

ヘアテクトなら、24時間以内に専門家が質問にすぐに回答いたします

ヘアテクトでは、薄毛の専門家が24時間薄毛の質問や相談を受け付けております。

10時~18時にてご連絡いただけた際には、専門家から平均約60分で返答があるとのことでした。(2021年5月-9月実績)

皆さんの薄毛やAGAに関するお悩みに対して、医師の経験や知識をもとに回答させていただきます。

薄毛やAGAに関する記事を調べれば調べるほど、「どういうことなのか、何が正しいのかよくわからなくなってきた」という声もよく耳にしますので、ぜひ一度公式LINEにて専門家に質問してみてはいかがでしょうか?

プロペシア®錠 添付文書
Roberts JL, Fiedler V, Imperato-McGinley J, Whiting D, Olsen E, Shupack J, et al. Clinical dose ranging studies with finasteride, a type 2 5alpha-reductase inhibitor, in men with male pattern hair loss. J Am Acad Dermatol 1999;41:555-63

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。

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