フィナステリド(プロペシア)との飲み合わせは大丈夫?他の薬との飲み合わせを医師が解説
プロペシア(フィナステリド)は基本的に絶対併用してはいけないという薬はありません。しかし、特定の薬や普段の食事について併用を避けたほうが良い薬もあるため注意が必要です。本記事では注意すべき飲み合わせについて医師が解説していきます。
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■ 本記事のサマリ
- フィナステリド(プロペシア)に
絶対併用できない薬は無いが飲み合わせに注意は必要
- デュタステリドは原則併用できない
- 特定の抗菌薬や不整脈薬などは
医師に要確認(CYP3A4阻害薬) - グレープフルーツやお酒は
服用タイミングをずらして - 心配な時は必ず医師に相談
フィナステリド(プロペシア)と
絶対併用できない薬は無いが
飲み合わせに注意は必要
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フィナステリド(プロペシア)には基本的に「絶対に併用してはいけない」という薬はありません。
ただし、一部の薬剤や食品には飲み合わせが悪いものもあるため、注意が必要です。
本記事では特に注意していきたい3つの飲み合わせについてご紹介していきます。
①デュタステリドは原則併用できない
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フィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)は原則併用ができない薬です。
フィナステリドとデュタステリドはいずれも男性型脱毛症(AGA)の原因である男性ホルモンに対し、同じアプローチ方法で効果を示します。
そのため、併用することで、薬剤が開発された当初想定されていた以上の男性ホルモンを抑制する効果が働き、効果が高まる以前にホルモンバランスの乱れなど副作用が強く出てしまうリスクがあるのです。
このことからも、AGA治療を行う場合は、フィナステリド(プロペシア)またはデュタステリドはいずれか一方を服用することをお勧めします。
フィナステリド(プロペシア)の
効果を高めたいならミノキシジルを併用
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なお、フィナステリド(プロペシア)とミノキシジルは併用することが可能です。
- フィナステリドの薄毛を止める守りの効果
- ミノキシジルの髪の成長を促す攻めの効果
これらダブルの異なる効果が働くことで、より高い発毛効果が期待できます。
②特定の抗菌薬や不整脈薬などは
医師に要確認(CYP3A4阻害薬)
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更に、フィナステリド(プロペシア)で注意すべき薬として特定の抗菌薬や不整脈薬が挙げられます。
専門的には、「CYP3A4阻害薬」と呼ばれる類の薬です。
CYP3A4とはフィナステリドなどの薬を代謝する酵素の一つで、一定効果を発揮した後の薬を分解し、身体の外に排出するために重要な役割を果たします。
CYP3A4阻害薬はこの酵素を阻害するため、薬が体外に排出されず、体内濃度が上がりすぎてしまい、臓器への負担が高くなるなどの危険があるのです。
つまり、CYP3A4阻害薬とフィナステリドを併用すると、フィナステリドの代謝が阻害され、副作用リスクが高まる可能性があります。
主なCYP3A4阻害薬は、一部の抗菌薬や不整脈薬、狭心症薬、HIV薬などが該当します。
<CYP3A4阻害薬の一例>
- クロラムフェニコール
- イトラコナゾール
- ケトコナゾール
- フルコナゾール
- クラリスロマイシン
- エリスロマイシン
- ベラパミル
- シメチジン
- サキナビル
- リトナビル
ただし、CYP3A4阻害薬は上記の薬だけではなく、様々な薬が該当します。
安全にAGA治療を続けるためにも他の病気の治療薬を服用していたり、服用開始する場合には事前に医師に相談するようにしましょう。
③グレープフルーツやお酒は
服用タイミングをずらして
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フィナステリド(プロペシア)での治療中は、お酒やグレープフルーツは控えるか、タイミングをずらして摂っていただくことをお勧めします。
実は、グレープフルーツには、前述のCYP3A4を阻害する効果があります。
つまり、グレープフルーツと同時にフィナステリドを服用してしまうと、フィナステリドの副作用リスクが高まる危険があるのです。
また、お酒はフィナステリドと同様に肝臓で分解されます。
お酒とフィナステリドを一緒に飲んでしまうことで、肝臓への負担が高まり、肝機能が低下するリスクになるのです。
また、お酒は肝臓への負荷だけでなく、髪の毛の成長環境を悪化させたり、ED(勃起不全)になる影響因子とも言われているため注意が必要です。
これらのことからも、フィナステリドでの治療中はグレープフルーツやお酒は積極的にお勧めできる食品ではありません。
どうしてもグレープフルーツやお酒を摂りたい場合には、一定時間を空けて服用いただくことをお勧めします。
例えば、
- 朝にグレープフルーツを摂るなら、フィナステリドは夜に服用する
- 夜にお酒を飲む場合には、朝にフィナステリドを服用する
など、半日程度空けた服用がおすすめです。
心配な時は必ず医師に相談
相談しやすいクリニック選びを
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フィナステリド(プロペシア)と絶対併用してはいけない薬や食べ物はありません。
しかし、デュタステリドや一部の抗菌薬、グレープフルーツジュースなど、服用を避けたほうが良いものは存在します。
本記事ではいくつか有名なものを紹介しましたが、他にも患者様の体質や体調などによって避けた方が良い薬や食べ物があるため注意が必要です。
特に他の病気の治療薬やサプリメンドなどは飲む前に問題がないか確認することをお勧めします。
ただし、これらの飲み合わせを個人が独断で行うのは難しいケースが多いです。
最近のクリニックではオンライン診療やチャットでいつでも医師や専門家に相談できる先が増えてきました。
薬の効果を最大限発揮しながら、副作用リスクを最小限に抑えるためにも、自分が通いやすいクリニックを選ぶことをお勧めします。
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天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。