フィナステリドに2回目の初期脱毛はある? 医師が初期脱毛のメカニズムを踏まえて解説

フィナステリド(プロペシア)の治療の中では稀に2回目の初期脱毛が起こることがあります。これは健康的な髪に生え変わるために起こるとよく言われますが、実は違う要因も潜んでいる可能性があることをご存知でしょうか。本記事では、初期脱毛の仕組みを踏まえた2回目の初期脱毛の発生確率やメカ二ズムについて医師が解説していきます。

目次

■ 本記事のサマリ

  • フィナステリド(プロペシア)で
    2回目の初期脱毛を体験した人は7.6%のみ
  • 2回目の初期脱毛の"8割以上"が
    3ヶ月以内に抜け毛が落ち着く
  • 2回目の初期脱毛の92%は
    気付かれない程度
    の抜け毛の増加
  • 2回目の初期脱毛の半数は
    "治療中断"
    により発生

フィナステリド(プロペシア)で
2回目の初期脱毛を体験した人は
7.6%のみ

まず気になる、フィナステリド(プロペシア)の2回目の初期脱毛の発生率について、へアテクトが独自に実施した調査では約7.6%の患者様から2回目の初期脱毛があったと報告されました。

結果を詳しく見ると、そもそもフィナステリドで初期脱毛を体感していた患者様が全体の23%、そのうち2回目の初期脱毛を体感した患者様が32%という結果になっています。

このことから、フィナステリドによる初期脱毛自体も約4人に1人程度の発生率であり、更にそのうち2回目の初期脱毛を体験する人はごくわずかであると考えられます。

※分析概要
対象/へアテクト患者様のうち、フィナステリド1.3mgで6ヶ月以上治療をしていた方158名を対象に集計
調査期間/2024年2月6日~3月24日

2回目の初期脱毛の"8割以上"が
3ヶ月以内に抜け毛が落ち着く

一般的に、初期脱毛は一時的な抜け毛の増加であり、治療を続けていれば落ち着くものがほとんどです。

2回目の初期脱毛も、基本的には初回の初期脱毛と同様に1~3ヶ月程度で落ち着くことが想定されます。

実際、へアテクトのフィナステリドで2回目の初期脱毛を体感した患者様12名に質問したところ、80%以上が3ヶ月以内に初期脱毛が落ち着いたと回答していました。

人数は少ないものの、一般的な傾向と同様であることから、2回目の初期脱毛も治療を継続していれば1~3ヶ月程度で落ち着く症状であると言えるでしょう。

2回目の初期脱毛の92%は
気付かれない程度の
抜け毛の増加

2回目の初期脱毛はどの程度抜け毛が増えるものか、気になる方も多いと思います。

上記と同様のアンケートでは、2回目の初期脱毛で「どの程度抜け毛が増えましたか?」という質問に対し「他人に指摘される程度に増えた」と回答した方はわずか8.3%(1人) でした。

つまり、2回目の初期脱毛を体験した人のうち、1人を除いた全員(92%)が他人が気付かない程度の抜け毛の増加だったことが分かります。

また、「他人に指摘される程度に増えた」と回答していた患者様についても、治療継続を選択していました。

このことからも、2回目の初期脱毛で顕著に抜け毛が増えたとしても、治療を継続できる程度であることが期待できます。

2回目の初期脱毛の半数は
"治療中断"により発生

では、何故2回目の初期脱毛が起こるのでしょうか。

一般的に、初期脱毛は薬の効果によって新しく生えてきた髪の毛が、古い髪の毛を押し出すことで起きる抜け毛の増加現象です。

2回目の初期脱毛は、1回目の初期脱毛時に生えてきた髪の毛が、更に強い髪の毛に生え変わろうとすることで発生すると言われています。

これは髪の毛の生え変わりサイクルに合わせて発生するため、治療半年~1年目の期間に多いようです。

しかし、実際にへアテクトの治療患者様に聞いたアンケートでは、2回目の初期脱毛を経験した半数が「治療中断後の再開時」に初期脱毛を経験していたことが分かりました。

そもそも、AGAは完治が難しい進行性の薄毛です。
AGA治療薬は薄毛の進行を一時的に止めることはできますが、治療を中断すると薄毛が再発してしまいます。

そのため、治療を中断した後に薄毛が再び進行してしまい、治療を再開されるケースも少なくありません。

今回のアンケートでは、治療を再開されたときに、治療が振り出しに戻り、実質2回目の初期脱毛を体感されるケースが多いようでした。

このことからも、通常通り治療を継続していれば、2回目の初期脱毛を体感することは稀である可能性が高いと考えられます。

初期脱毛は効果の現れ
3ヶ月はあきらめずに治療を継続しよう

今回、へアテクトで実施したアンケートで分かってきたこととして、フィナステリド(プロペシア)で2回目の初期脱毛を体感しているのは約8%で、初期脱毛を2回経験するのは稀なケースのようでした。

また、2回目の初期脱毛も一時的であり、多くは3ヶ月以内に収まることがほとんどです。

気になる抜け毛の増加量も、ほとんどは他人が気付かない程度の抜け毛の増加であり、治療に支障が起きる程度ではないようです。

また、初期脱毛は新しく生えてきた強い髪の毛が、古くて細い髪の毛を押し出すことで発生すると言われています。

薄毛の治療を始めたのに抜け毛が増加することに対して抵抗感がある方も多いと思いますが、初期脱毛は効果の現れと理解して、根気強く治療を続けることをお勧めします。

また、2回目の初期脱毛を体感するケースとして意外と多いのが、一度治療を中断してから再開した際に発生するケースです。

AGA治療は中断すると薄毛が再発するリスクがあります。
残念ながら、治療中断後に薄毛が再発して治療を再開する患者様も少なくありません。

再び治療を振り出しに戻さないためにも、できる限りAGA治療は継続することをお勧めします。

しかし、治療の中では、副作用や経済的な理由で継続が難しくなることもあると思います。
治療内容や副作用に不安がある場合は、医師や専門家に相談してみることも選択肢の一つです。

ヘアテクトなら、24時間以内に専門家が質問に
すぐに回答いたします

ヘアテクトでは、薄毛の専門家が24時間薄毛の質問や相談を受け付けております。

10時~18時にてご連絡いただけた際には、専門家から平均約60分で返答があるとのことでした。(2021年5月-9月実績)

皆さんの薄毛やAGAに関するお悩みに対して、医師の経験や知識をもとに回答させていただきます。

薄毛やAGAに関する記事を調べれば調べるほど、「どういうことなのか、何が正しいのかよくわからなくなってきた」という声もよく耳にしますので、ぜひ一度公式LINEにて専門家に質問してみてはいかがでしょうか?

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。

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