おでこが広いと薄毛(ハゲ)になる?生え際の見分け方や予防方法
おでこが広いと薄毛(ハゲ)になるのは本当なのでしょうか?この記事では、おでこの広さと薄毛の関係、改善方法などを解説しています。「以前よりおでこが広くなった」と気にしている方はぜひ参考にしてください。
「前よりおでこが広くなったけどハゲてきた?」
「生まれつきおでこが広いと薄毛になりやすい?」
「おでこが年々広くなっている気がする」
このような不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。以前よりもおでこが明らかに広くなった方は、薄毛が進行している可能性が高いと考えられます。しかし、生え際は徐々に後退していくため、進行に気づきにくいものです。
そこで今回は、おでこハゲのパターンや見分け方、原因、改善方法などについてお伝えしていきます。
■ 本記事のサマリ
- おでこの広さと薄毛には直接的な関係はない
- ただし、「最近おでこが広くなった」と感じる場合は、薄毛進行の可能性がある
- おでこハゲはM字やU字で進行し、抜け毛の増加や髪質が細くなる等の特徴がある
- おでこハゲの原因の大半は、AGA(男性型脱毛症)
- 原因がAGAの場合、生活習慣等では改善が期待できず、クリニック等での治療が必要となる
- 「最近おでこが広くなった」と感じた場合は、早期にクリニックへ相談することを推奨
おでこが広くなってきたら薄毛進行のサイン
「おでこが広いと薄毛(ハゲ)になる」と、一度は耳にしたことがある方も多いはずです。はたして、この情報は実際に正しいのでしょうか。ここでは、おでこの広さと薄毛の関係についてお伝えしていきます。
「おでこが広い=ハゲる」とは限らない
おでこの広さは人によって異なります。生まれつきおでこが広い人もいれば、狭い人もいます。そのため、おでこの広さだけで、その人が薄毛(ハゲ)になるかならないかは決まりません。医学的にも「おでこが広い=ハゲる」とは、証明されていないのです。
しかし、おでこが広いと髪型やセットの仕方によって薄毛に見えてしまうケースがあります。これが、「おでこが広いと薄毛になる」というイメージにつながったのかもしれません。
後天的におでこが広くなってきた場合は注意
お伝えしたように、おでこが広いことと薄毛は必ずしもイコールではありません。
しかし、後天的におでこが広くなっている方は、薄毛が進行している可能性があります。
おでこが広くなるということは、生え際が後退している証拠です。何かの原因で、これまで髪が生えていた箇所からの発毛が止まっているのです。
この状態で対策をせずに放置をしていると薄毛が進行してしまい、取り返しのつかない状態になる可能性もあるので注意が必要です。
そのため、まずは薄毛の原因を特定し、最適な対策を取らなくてはなりません。
おでこハゲ2つのパターン
おでこハゲは大きく、「M字ハゲ」と「U字ハゲ」の2つに分類できます。それぞれの特徴を詳しくお伝えしていきます。
M字ハゲ
M字ハゲは生え際の左右が、剃り込みが入ったように後退してしまう形です。
おでこが「M」の形に見えることから、一般的にM字ハゲと言われています。
U字ハゲ
U字ハゲは額から頭頂部にかけて髪がU字型に後退していく薄毛で、M字と比較して薄毛の範囲が広いです。
症状が進行すると、サイドと後頭部をのぞき髪が残らなくなるため、薄毛の状態はより深刻に見えやすい特徴があります。
おでこが広いだけ?薄毛(ハゲ)?見分け方
おでこハゲがかなり進行した状態であれば、生え際の後退は一目瞭然です。
しかし、おでこは徐々に広くなっていくため、薄毛がはじまった当初は気づきにくい傾向にあります。
おでこハゲを早期で発見するために次のセルフチェックを行いましょう。
【おでこハゲのセルフチェック】
- 耳の上部から頭頂部へ「まっすぐ」線を引く
- 生え際と引いた線の隙間を測定する
耳から頭頂部へ引いた線と生え際との距離が指2本分以上あれば、おでこハゲの可能性が高いです。
しかし、生まれつき「おでこ」が広い方もいるので、指2本以上の距離があっても以前と比較して変化がなければ問題ないケースもあります。
ここの見分け方は、専門家でないと分からないケースも多く、セルフチェックはあくまで指標なので、おでこハゲかどうか気になる方は、専門クリニックの受診を検討してください。
要注意!おでこハゲの前兆
おでこハゲには、生え際の後退の他に、主に次のような前兆があります。
- 抜け毛の量が増えた
- 髪のコシがなくなり細くなった
- 頭皮トラブルが起こりやすくなった
以前と比較して、抜け毛が増えたり髪質が変わったりしたと感じる場合は注意が必要です。
また、頭皮環境が悪化することも、前兆のひとつです。このような変化が起こっていないかを、十分に確認しておきましょう。
おでこハゲの原因はAGA(男性型脱毛症)が大半
おでこハゲが気になったときに、最初に疑うべき原因はAGA(男性型脱毛症)です。
AGAは、思春期以降の男性にみられる、主にジヒドロテストステロン(男性ホルモン)に起因する進行性の脱毛症です。
男性の薄毛の原因9割がこのAGAだと言われており、およそ3人に1人の割合で発症すると報告されています。
額の生え際や頭頂部周辺の抜け毛が目立ち、進行して薄毛の範囲が広がるのもAGAの特徴のひとつです。
薄毛の対策でもっとも大切なことは、まず原因を特定することです。
できるだけ早く原因を特定し原因に合わせた適切な対応を取ることが、薄毛の進行を止めて改善していくために重要なのです。
生え際の後退が気になり出した方は、まずAGAの可能性を考えるようにしましょう。
AGAはクリニックでの治療が必要
AGAは進行性の脱毛症のため、放置すると薄毛の範囲が広がるリスクがあります。
AGAの進行を抑制し、症状を改善するには適切な治療が必要です。
なお、残念ながら市販の育毛剤などの対策では、発毛効果が充分に期待できず、根本的な解決にはなりにくいです。
AGAの治療は、専門のクリニックで受けられます。
クリニックを受診すれば、医師が症状に合わせて適切な治療薬を処方してくれます。
また、AGAは早期に治療すればするほど治療効果が高く、逆に進行してからの治療は効果が出にくいという点にも留意が必要です。
治療が手遅れになる前に適切な対処を進めていくためにも、自身で対策するのではなく、できるだけ早く専門のクリニックへ相談しましょう。
AGA以外のおでこハゲの原因
お伝えしたように、おでこハゲの原因の大半はAGAだと考えて良いでしょう。
しかし、他の要因の可能性もゼロではありません。
ここでは、AGA以外のおでこハゲの原因について解説していきます。
不規則な生活
睡眠時間が十分でなかったり睡眠の質が悪かったりすると、髪の成長に欠かせない成長ホルモンの分泌量が低下してしまいます。
髪の毛をつくる成分の80パーセント以上がケラチンと呼ばれる「たんぱく質」であるため、髪の毛を健康に保つにはたんぱく質を合成する働きをもつ成長ホルモンが必要不可欠です。
そのため、不規則な生活で睡眠に影響が出ると、おでこハゲに繋がってしまう可能性があるのです。
偏った食生活
カフェインの摂りすぎやファストフード、お菓子が中心の食生活は髪の成長に必要な栄養素を不足させるだけでなく、発毛を遅らせて薄毛の原因ともなります。
例えば、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは発毛を促進する成分「アデノシン」を破壊すると考えられていたり、スナック菓子には発毛へ悪い影響を与える食品添加物が含まれていたりするため、過剰摂取には気を付けましょう。
ストレスの蓄積
人間関係のトラブルや私生活で生じた大きなストレスは、脳を興奮状態にして血管を狭め、発毛に必要な栄養素が頭皮に届きにくくなるため薄毛につながります。
また、ストレスが蓄積されるとステロイドと呼ばれるストレスホルモンの分泌量が増え、交感神経作用によって頭皮環境が悪化するとも考えられているのです。
外的刺激
シャンプーや整髪料など薬剤を含む製品の利用が健康な髪の成長をさまたげるケースもあります。
例えば、ヘアワックスをつけたままシャワーを浴びずに寝ると、ヘアワックスに含まれる油脂や化学的に合成された香料などが毛穴につまり、健康な髪の毛を生えにくくするため薄毛につながるのです。
また、逆に洗浄力の高いシャンプーは必要な皮脂も洗い流してしまい、頭皮の乾燥を招くこともあります。
頭皮の乾燥もまた、頭皮の環境悪化に繋がり、抜け毛が増える原因になってしまうのです。
おでこハゲの予防方法
ここまで、AGA以外のおでこハゲの原因についてお伝えしました。では、おでこハゲは防ぐことができるのでしょうか。
残念ながら、おでこハゲの原因の大半はAGAであり、AGAは遺伝的な要因が大きい疾患のため、予防することは難しいです。
ただし、おでこハゲの原因がAGA以外の場合、次に上げるような方法で予防できる可能性があります。
生活習慣の見直し
健康な発毛のため、食事や睡眠のみならず、飲酒や喫煙など髪の成長にマイナスの影響を与える可能性がある習慣は見直さなくてはなりません。
まず食事は、バランスよく栄養を摂取することが大切です。
とくに「たんぱく質」を多く含む豆腐や納豆などの大豆製品、豚肉や魚類を意識的に摂り入れてみましょう。
アルコールには栄養素の吸収をさまたげる作用、タバコには一酸化炭素やニコチンなど血液の流れを悪くする作用があるため、薄毛を予防する観点ではおすすめできません。
また、就寝時間と起床時間を毎日同じにするなど、睡眠時間や睡眠の質にも十分に気を使いましょう。
ストレスを溜めない生活を送る
ストレスが一切ない生活を送るのは難しいですが、過度に溜まらないような心掛けは重要です。
ストレスを感じたときは、次の6つを試してみてください。
- リラックスできる時間をつくる
- ゆっくり腹式呼吸をする
- ぼんやりと窓の外を眺める
- ゆったりお風呂に入る
- 軽く身体をストレッチする
- 好きな音楽を聴く
ストレスを解消できれば、血行や頭皮環境も良好に保てるため、健康な髪を維持できます。
薄毛の進行を防ぐために、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
髪と頭皮をケアする
髪や毛穴に油脂や汚れがたまった状態を放置したり、頭皮に合わない薬剤を使ったりすると健康な発毛をさまたげる可能性があります。
万が一、市販の薬剤で頭皮に痛みや「かゆみ」が生じた場合は、自分に合ったシャンプーやトリートメント、刺激の少ない整髪剤への買い替えを検討するのもよいでしょう。
おでこハゲが不安になったらクリニックへ相談しよう
ここまで生活習慣の改善によるおでこハゲの予防方法をご紹介してきましたが、改めてお伝えするとおでこハゲの原因の大半はAGAが原因です。AGAが原因の場合、上記のような生活習慣の改善ではおでこハゲの予防や改善は期待できず、クリニックでの治療が必要となります。
また、AGAは進行性の疾患であり、放置していると薄毛がどんどん進行していくほか、進行してからの治療は効果が出にくくなってしまう点にも留意が必要です。
裏を返すと、AGAは早く治療を開始するほど、改善が見込める可能性も高い疾患です。少しでもおでこハゲが気になる方は、すぐにでもAGAクリニックへ相談しましょう。
天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
- 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
- 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。