頭皮が硬いと薄毛(ハゲ)になる?硬い原因やチェック方法を解説

「頭皮が硬いとハゲやすくなる」という説は本当なのでしょうか?本記事では、頭皮の硬さと薄毛の関係とその他のトラブル、頭皮の硬さのチェック法、頭皮を柔らかくするためのセルフケア方法について解説していきます。

目次

薄毛が気になっている方の中には、頭皮の硬さが原因でハゲると考えている方もいるのではないでしょうか?
頭皮が硬い方の中には生まれつきのこともあり、必ずしも薄毛の原因になるわけではありません。

しかしながら、悪い生活習慣によって頭皮が硬くなっていると、健康な頭髪が生えにくくなる可能性があります。

この記事では頭皮の硬さと薄毛の関係や、頭皮が硬くなる原因やチェック方法、頭皮を柔らかくするためのケア方法について解説します。

■ 本記事のサマリ

  • 頭皮の硬さは薄毛と直接的には関係がない
  • ただし、後天的に頭皮が硬くなった場合は、薄毛に影響が出る場合がある
  • 頭皮の硬さの改善による顕著な薄毛改善は難しいが、薄毛予防や、薄毛治療の効果が高まりやすくなる
  • 頭皮の硬さの改善は、生活習慣の改善や育毛剤の利用等で可能

あなたの頭皮は硬い?自分で判断する2つの方法

頭皮の硬さが気になる方は、本当に頭皮が硬いのか分からない方も多いでしょう。まずは自分の頭皮が硬いかどうかを知るための簡単なチェック方法について説明します。

①両手の指で頭全体を動かす方法

  1. 両手の指を頭全体に当てる
  2. 円を描くように動かす

このチェック方法で
指と一緒に頭皮が動けば「頭皮が柔らかめ」、
反対に指と一緒に頭皮が動かずに痛みを感じる場合は「頭皮が硬め」
に該当します。

②頭皮を指でつまむ方法

  1. 頭皮を指でつまむ
  2. つまんだ指をぐるぐると前後左右に動かす

このチェック方法でも
指と一緒に頭皮が動けば「頭皮が柔らかめ」、
頭皮の動きが悪ければ「頭皮が硬め」
に該当します。

頭皮が硬いのは血流が悪いから

生まれつき頭皮が硬くない人でも、さまざまな要因により頭皮が硬くなることがあります。

頭皮が硬くなる原因として考えられるのが、頭皮の血行不良です。

この対策として、例えば、頭皮マッサージなどを行うと、血行を促すだけでなく、頭皮の弾力性をアップすることができます。

言い方を変えれば、頭皮の血行不良をそのままにすると、頭皮の柔軟性が低くなり硬くなるおそれがあるのです。

頭皮が硬くなる6つの原因

頭皮を柔らかくするには、頭皮が硬くなる原因を知ることが大切です。ここでは頭皮が硬くなりやすい生活習慣についてみていきます。

過度なストレス

強いストレスが続くと、体を活動モードにする交感神経の優位が続くため、体の緊張が続きます。

頭皮の血管が収縮するため、血行が悪くなり頭皮が硬くなることがあるのです。

偏った食生活

頭皮が硬くなるのは、偏った食事が原因になることもあります。

外食や加工食品により糖質や脂質の摂取が過剰になると、血液がドロドロになり頭皮の血行に影響を与えます。

睡眠不足

睡眠時間が十分でないと体が休息できずに、活動モードから休息モードの切り替えが上手くできなくなる原因になります。

頭皮の下には薄い筋肉があるため、睡眠不足により体の緊張が続くことで、頭皮にコリが起こることがあります。

また睡眠中は皮膚のターンオーバーが行われる時間帯です。
睡眠不足により皮膚の生まれ変わりに影響が起こると、頭皮が硬くなる原因になります。

運動不足

運動不足が続くと、血液の流れが悪くなり、頭皮が血行不良になることがあります。

また、筋肉量の減少を招きやすく、冷え性を引き起こします。
冷え性により血行が悪くなることで、さらに頭皮が硬くなってしまうのです。

喫煙

タバコに含まれているニコチンは、血管を収縮させる作用があります。

頭皮の血管が収縮することで血行不良となり、頭皮が硬くなる原因になるのです。

何よりタバコは有害物質を吸っているようなものなので、薄毛対策にもよくありません。

頭皮の硬さは薄毛(ハゲ)とは直接関係ない

薄毛が目立つ人は頭皮が硬い人が多い傾向があります。

しかしながら、薄毛の原因の大半を占めるAGA(男性型脱毛症)は男性ホルモンが原因で起こるため、実際のところ頭皮の硬さと直接的な関係はありません。

つまり、頭皮の硬さを改善しても大半の薄毛の改善は難しい可能性が高いです。

薄毛の原因がAGAの場合は、クリニック等で処方されるAGA治療薬等を用いて薄毛の原因に直接的に働きかける治療が有効になります。

頭皮の硬さ改善は薄毛対策の補助的な役割に

しかし、頭皮の硬さの改善は薄毛治療や薄毛対策を進める上ではとても重要です。

例えば、薄毛で自毛植毛を受ける場合、頭皮が硬いと、植毛の治療の選び方やドナー採取量に影響を与えることがあります。

また、生まれつきではなく後天的に頭皮が硬くなっている場合、不規則な生活習慣が原因であることがほとんどです。

栄養バランスの悪い食事や睡眠不足、ストレスなど生活習慣の乱れは、健康な髪が生えづらい頭皮環境を作ってしまう可能性があります。

直接的な薄毛改善には繋がらないものの、健康で丈夫な髪が生えるのをサポートするためにも、頭皮を柔らかくするためのケアを行うとよいでしょう。

頭皮が硬い場合に起こる薄毛(ハゲ)以外の問題

薄毛と直接的な関係がない硬い頭皮ですが、頭や髪に問題を起こすことがあります。ここでは、頭皮が硬いときにみられやすい頭髪のトラブルについてみていきます。

白髪が増える可能性がある

頭皮が硬くなり血行が悪くなると、白髪が増えることがあります。

頭皮が血行不良になると、毛根にあるメラノサイトの機能が低下するためです。
強いストレスを感じると白髪が現れるのも、頭皮の血行が悪くなりメラニンが作られなくなるためです。

頭痛が起こりやすい

硬い頭皮により血行が悪くなると頭痛を起こしやすくなります。

頭痛にはいくつか原因がありますが、血行不良によって起こりやすいのが、「緊張型頭痛」です。
頭の周囲を締められるような痛みが続くのが特徴です。

また、ストレスによる頭皮の血行不良で頭痛が起こることも多いと言われています。

肩や首が凝ってしまう

頭皮が硬くなると、首や肩の筋肉のコリを引き起こすことがあります。

筋肉の緊張は周りの筋肉も連鎖するためです。反対に、肩や首のコリにより、頭皮が硬く凝ることもあります。

特にデスクワークなどで根詰めて仕事をしている方などは、首や肩の筋肉が張り、頭皮にも凝りが生じる可能性があるため注意しましょう。

薄毛(ハゲ)対策に!硬い頭皮を柔らかくする方法

硬い頭皮そのものは薄毛の直接の原因ではありません。
しかしながら、頭皮が柔らかくなると、毛髪も立ち上がりやすくなるので、健康な髪が生えるためのサポートができます。

ここでは硬い頭皮を柔らかくするための方法についてみていきます。

十分な睡眠をとる

頭皮を柔らかくするには、睡眠でストレスを緩和することが大切です。

健康維持のための睡眠時間は個人差がありますが、最低でも7時間は取りましょう。

平日の睡眠時間が少ない人で、週末寝だめしてしまう人は、睡眠時間が十分でない証拠です。

十分な睡眠は頭皮を柔らかくするだけでなく、元気な髪の毛が生えるのをサポートします。

栄養バランスのとれた食事

硬い頭皮の柔軟性をアップするには、血液の流れに着目することも大切です。

血液の流れをよくするために、栄養バランスの良い食事を毎日取りましょう。

ファストフードや外食が続くと、脂質や糖質の過剰摂取につながるため、頭皮の血行不良を招きます。
自炊やお弁当を持参するなどして、色々な食材を食べるようにしましょう。

適度な運動をする

運動で筋肉を動かすと、血行を促進することができます。

仕事や学校で忙しい毎日を送っている方も、日々の生活の中で運動習慣を持つようにしましょう。

運動はジムに行かなくても、日常生活の中で行えます。
「駅まで自転車で行くのではなく歩く」「エスカレーターではなく階段を使う」「歩いて買い物をする」なども立派な運動です。

こまめに体を動かして、頭皮の血流をアップさせましょう。

頭皮マッサージをする

硬い頭皮を柔らかくするために行いたいのが、頭皮マッサージです。

頭皮を手でマッサージすると、血行が促進して柔軟性が向上するだけでなく、毛根が立ち上がって髪が立ちやすくなります。

注意事項として、直接頭皮をマッサージすると、摩擦により髪にもダメージが及ぶおそれがあります。
頭皮マッサージをするときは、できればケアクリームを使いましょう。シャンプーの時に頭皮をマッサージするのもおすすめです。

※頭皮マッサージについてはこちらの記事もご覧ください。
薄毛(ハゲ)・抜け毛予防に頭皮マッサージは効果的?方法や手順を紹介

育毛剤でケアする

頭皮を柔らかくするために育毛剤を取り入れるのもよいでしょう。

多くの育毛剤は血流を促進する成分を含んでおり、頭皮の血行不良の改善を目指せます。

また育毛剤の中には、毛根の細胞分裂にアプローチする成分が含まれている商品もあり、薄毛ケアも一緒に行えます。

育毛剤を使う場面でおすすめなのが、頭皮マッサージ時のヘアケア用品として使うことです。
育毛剤をつけて頭皮マッサージをすることでより高い効果が狙えます。

頭皮の硬さ改善は薄毛・抜け毛予防に重要

頭皮の硬さは生まれつきのものであり、硬めの人もいれば柔らかめの人もいます。

頭皮の硬さが薄毛の直接の原因になるわけではありませんが、後天的に頭皮が硬くなっている場合は、健康な髪が生える頭皮環境ではないといえます。

薄毛が気になる方は、毎日のヘアケアにプラスして頭皮を柔らかくするケアも意識してみましょう。
記事内で紹介した頭皮ケアの方法はどれも手軽にできるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

  • 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
  • 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

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