髪が細いと薄毛(ハゲ)になるのは本当?細い髪の原因や改善方法
髪が細いと薄毛(ハゲ)になるのではと不安になっている方も多いのではないでしょう。この記事では、髪が細いと薄毛になるのか、髪が細くなる原因はどこにあるのかなどを詳しく解説しています。
「髪が細いと薄毛(ハゲ)になりやすい?」
「最近、髪が細くなった気がして心配」
「髪が細くなる原因は?太くできる?」
薄毛と髪の太さについて、こんな不安や疑問を持っている方も多くいると思います。
特に髪が細い方はヘアセットが思い通りになりにくかったり、地肌が見えたりなどの悩み事を抱える方もいるのではないでしょうか。また髪が太い人と比べると毛量が少なく見えることから、「自分はハゲやすいのでは?」と不安に思う方も少なくないでしょう。
そこで今回は、髪の細さと薄毛の関係、細くなる原因や改善方法などについて、詳しくお伝えしていきます。
■ 本記事のサマリ
- 髪の毛が細いからといって、薄毛に直結するわけではない
- ただし、「以前と比べて髪の毛が細くなった」と感じる場合は、薄毛進行の可能性がある
- 髪の毛が細くなる原因の大半は、AGA(男性型脱毛症)
- 薄毛の原因がAGAの場合、生活習慣等の改善では髪質改善が期待できず、クリニック等での治療や対策が必要となる
- 「髪が細くなってきた」と感じた場合は早期にクリニックへ相談することを推奨
髪が細いかはどう見極める?髪の毛の太さの平均
髪の毛の太い・細いは髪の構造によって決まってきます。ここでは髪の太さを決定づける要素や髪が太い人、細い人の特徴を見ていきます。
髪の毛の太さは何で決まるのか?
髪の太さを決定づけるのは、毛髪内部にあるタンパク質「コルテックス」の量です。
コルテックスは髪の毛を構成する繊維状のタンパク質で、毛髪全体の8割ほどを占めます。コルテックスの量が多いとそれだけ髪は太くなり、少ないと細い髪になるのです。
日本人の毛髪は海外の人と比べてコルテックスの量が多いことが分かっており、日本人の髪の太さは平均して0.08mm程度とされています。
髪の毛が細い人と太い人の特徴
髪が太い人、細い人の髪の性質や外観などの特徴をまとめると以下のとおりです。
髪質のタイプと特徴
毛髪の硬さに関しては髪の毛表面のキューティクルの厚さもかかわっており、キューティクルが厚いほど硬さが増します。
これに加えて、キューティクル内部にあるコルテックスの量が多いと弾力性も増すので、細い髪と太い髪をしならせて比べてみると感触として違いを感じられるのです。
またコルテックスは水分の保持にも関わっており、コルテックスが多く太い髪ほど乾きにくくなります。
「最近髪が細くなった」場合、薄毛進行の危険性
髪が細いと薄毛(ハゲ)になると考えている方は少なくありません。でも本当に、髪の太さと薄毛には関係性があるのでしょうか。ここでは、髪の太さと薄毛の関連性についてお伝えしていきます。
髪が細いからといって薄毛(ハゲ)になるとは限らない
結論からお伝えすると、生来的に髪の毛が細いからといって必ず薄毛になるわけではありません。
髪の太さには個人差があり、生来的に太い人もいれば細い人もいます。
髪が細いとボリュームが出ないため、人よりも薄毛に見えてしまう場合があります。
そのため、「髪が細い=薄毛」というイメージを持つ方も多いようです。
しかし、髪が細いのはあくまでも体質であるため、薄毛に直結はしません。
後天的に髪が細くなった場合は注意が必要
上記でお伝えしたように、髪が細いからといって必ずしも薄毛になるわけではありません。
しかし、以前と比べて髪の毛が細くなってきたと感じたら注意が必要です。
髪の毛の質が細くなってきたと感じたら、何らかの後天的な要因で髪の元気が失われてきた可能性があるため、薄毛が進行するサインだと思ってください。
自分で気づきやすいシーンとしては、毎朝のスタイリング時に以前よりも時間がかかるようになった、洗髪時の抜け毛が細くなったように感じるなどが多いでしょう。
髪の毛が細くなる原因6つ
では、髪の毛は、どうして細くなってしまうのでしょうか。ここでは、髪の毛が細くなる5つの原因についてお伝えしていきます。
栄養が不足している
髪の毛が細くなる原因として、髪の元となる栄養が不足することが一因として挙げられます。
髪の毛も体の他の器官と同様に食事から取り入れる栄養によって作られるので、これが不足すると健康な髪を育成させることができなくなります。栄養が偏っている人は肌の艶が失われたり、体力が低下したりなどの現象が現れますが、髪が細くなることもその兆候の1つです。
過度のダイエットや一人暮らしの偏食などで栄養が偏っているという認識がある方は、特に注意してください。
十分な睡眠が取れていない
不規則な生活、そして睡眠不足も髪の活力不足につながり、長期間続くと髪を細くしてしまう要因になります。
睡眠は体全体の健康を維持するためにも重要なファクターですが、睡眠不足は健康な毛髪を育てるための成長ホルモンの分泌を弱めてしまうので、その結果髪の元気が失われて細くなってしまうことがあるのです。
また、睡眠不足が長期間続くと、自律神経のバランスが崩れ体の緊張状態が続き、頭皮の毛細血管の血流を阻害する原因にもなります。
これにより毛根への血流が滞ると、食事からとった栄養が十分に毛根まで配給されず、正常な髪の成長が阻害されてしまいます。
過度なストレス
現代人はストレスを避けて通れませんが、過度のストレスにさらされたり、長期間ストレスを受け続けたりすることも髪質に異変をもたらします。
ストレスによる緊張から血行不良が起きやすくなり、頭皮の血流が阻害されることで毛根の栄養不足につながるのです。
また、ストレスによって自律神経が乱れると、皮脂の過剰分泌が起きやすくなり頭皮環境の悪化につながります。皮脂の過剰分泌はひどくなると、かゆみ等を伴う頭皮の炎症を誘発する原因にもなるので注意が必要です。
誤ったヘアケア
洗髪のし過ぎや洗浄力の強すぎるシャンプーを使用するなど、誤ったヘアケアも髪の元気を奪い、細くしてしまう原因になります。
例えば、洗髪の際に力を入れて地肌をゴシゴシ擦ってしまう人がいますが、頭皮に負担をかけて毛根にダメージを与えてしまうので注意が必要です。
他にもスタイリングの際に整髪料を地肌に直接つける行為や、パーマやカラーリングを多用することも地肌に負担をかけるので、できるだけ避けるようにしましょう。
加齢によるもの
人は年を取ることで体の各所で老化現象が起き、少しずつ機能の低下が進みます。
加齢による機能低下は頭髪にも影響し、頭皮の毛細血管が細くなって血流が弱まることで栄養が届きにくい状態になったり、成長ホルモンの分泌が弱まったりして髪が細くなることがあります。
こうした老化現象は誰にでも起こるため、ある程度は仕方のないことです。
ただし、30代、40代以降の壮年期の年代でも、これから下で説明するAGAを発症することで髪質が細くなることがあります。これに関しては適切な治療を行うことで薄毛の予防、改善が可能です。
AGA(男性型脱毛症)
AGAは体内のホルモンが変化し、薄毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)が多く生産されることで起きる進行性の脱毛症です。
DHTは正常な髪の育成サイクルを乱すことで、髪を細くし抜け毛を増やします。30〜40代で発症することが多いですが、20代の若い方でも発症するケースも珍しくありません。
AGAについては疾患の一つに該当するため、クリニック等での適切な対処により治療・予防していくことが可能です。
薄毛(ハゲ)対策|髪が細くなるのを防ぐ方法
髪が細くなる要因をお伝えしたところで、次は髪の細さが気になる人が取るべき対応策をお伝えしていきます。髪が細くなる原因は複合的に絡み合っていることが多いため、1つの方法だけでなくいくつか実践するように心がけてください。
食生活の改善
身体全体の健康維持のためにも一般的に推奨されるバランスの良い食事をとることが望まれますが、髪の健康を維持する上では特に不足しがちな栄養の摂取を意識することが大切です。
まず意識すべきなのが、毛髪を合成する大本となるタンパク質です。肉や魚、大豆などからバランスよくタンパク質を摂取するように心がけましょう。
また、髪が成長する際に必要になる鉄分や亜鉛も日本人が不足しがちな栄養素ですので、食事はもちろん、必要に応じてサプリメントなどで補給するのも有効です。
生活習慣の見直し
良い睡眠を取ることができれば体全体の健康を保つことにつながり、育毛のベースを整えることができます。
良い睡眠習慣は、成長ホルモンの分泌を高める効果があります。
その結果、本来の髪の太さを取り戻すことにつながるのです。
髪質改善のためにも、できるだけ規則的な睡眠習慣を整えることと、6〜8時間程度を目安とした睡眠時間の確保を心がけましょう。
またストレスへの対処としては自分に合ったストレス解消法を身に着けることが求められます。具体的には運動をする、趣味の時間を作るなどです。
規則正しい生活習慣でストレスを解消できれば、頭髪への良い影響が期待できるでしょう。
育毛剤の活用
市販の育毛剤を試してみるのも予防方法の1つです。
市販されている育毛剤には、発毛効果は認められていませんが、頭皮環境の改善や血流増進などの効果があります。
髪が少し細くなってきた初期段階であれば、効果が期待できるでしょう。
ただし原因がAGA、食事や生活習慣などに由来する場合は、他の対処法と並行しないと大きな改善につながりません。
ヘアケアを正しくする
頭皮に負担を掛けず、なおかつ育毛環境を良好に保つには、正しいヘアケア習慣を知ることも大切です。
まず洗髪は夜寝る前の一日一回が基本です。
頭皮の洗い過ぎは皮脂の過剰分泌を促し頭皮環境を悪化させるので、一日に何度も洗髪するのは避けましょう。
また、シャンプーはできるだけ低刺激なものを選んでください。
洗浄力の高いシャンプーは刺激が強すぎて、必要な皮脂までも洗い流してしまう可能性があります。その結果、頭皮の乾燥につながり、抜け毛を引き起こすこともあるので注意が必要です。
なお、お風呂上りはドライヤーで頭皮をしっかり乾かし、雑菌が繁殖しないように配慮しましょう。
AGAが原因の場合は適切な治療が必要
最後に最も大切なポイントとして、AGAを発症している場合は、ここまでお伝えしてきた方法では、髪が細くなることは防げません。
AGAは脱毛症のため、改善のためには適切な治療が必要です。
また、ここで更に重要となるのが、男性の薄毛の原因は大半がAGAであるという点になります。
つまり、残念ながら上記の生活習慣改善等では、髪質の変化や薄毛の進行を止められない方が大半ということになります。
AGAの治療は専門のクリニックを受診して、治療薬を処方してもらうのが一般的です。
進行の状況に応じて、抜け毛を防いだり、発毛を促したりなどの治療を行います。
早い段階で治療すると治療効果が高く、逆に薄毛が大分進行してからの治療は効果が出にくくなることも留意しておきましょう。
なお、髪質の変化の要因がAGAであるか、その他の理由であるかは、専門家でないと分からないケースも多々あります。
薄毛への適切な対策を早めに行い、早期改善を目指すためにも、薄毛が気になる方はまずはクリニックへ相談するのがおすすめです。
最近髪の毛が細くなったと感じる人はクリニックへ
髪が細いからといって必ず薄毛になるわけではありません。しかし、最近になって髪が細くなったなど、後天的に変化した方は注意が必要です。
以前より髪が細くなったというのは、薄毛が進行しているサインでもあります。
薄毛の原因の大半を占めるAGAの発症により髪が細くなっている方は、適切な治療が必要です。AGAは進行していくため、少しでも早く治療を始めなくてはなりません。髪が細くなったと感じる方は、まずはAGA専門のクリニックへ相談してみましょう。
天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
- 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
- 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。