AGA治療はいつまで続けるべき?薄毛の改善効果や減薬のタイミング

AGA治療の基本となる投薬治療は、効果を実感するまでに時間がかかります。こちらの記事では、AGA治療をいつまで行えばよいのかについて解説しています。

目次

「AGA治療はいつまで続ける必要がある?」
「AGA治療をやめると薄毛に戻る?」

AGA治療を受けるにあたって、治療期間を気にされている方も多いはずです。AGA治療薬の副作用の可能性、必要な費用を知る上でも、いつまで治療を続けるべきかは理解しておく必要があるでしょう。

そこでこの記事では、AGAの治療期間について詳しくお伝えしていきます。AGA治療を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

■ 本記事のサマリ

  • AGAは完治しないが、AGA治療薬により薄毛の改善は可能
  • 改善したヘアボリュームの維持には治療継続が重要
  • AGAの治療終了時期は、本人の希望に合わせて設定する
  • 治療状況次第では、薬を減らすことも選択肢の一つ
  • 急激な毛量減退等のリスクがあるため、
    治療終了や減薬の判断は医師と相談して決める

薄毛治療のためのAGA基礎知識

AGAの治療期間を知る上でポイントとなるのが、薄毛になる仕組みです。まずはAGAの特徴や薄毛が起こるメカニズムについて解説していきます。

AGAは男性ホルモンが引き起こす脱毛症

AGAは「Andogenic Alopecia」の略で男性型脱毛症のことをいい、男性ホルモンの作用によって起こるものです。男性ホルモンには男らしい体を作る働きがあり、ヒゲや胸毛などの性毛を濃くする作用がありますが、頭髪に対しては薄くさせる作用があります。

日本人の成人男性の3人に1人はAGAを発症するといわれており、年齢を重ねるとともに発症率が増えていく傾向があります。AGAの特徴的な症状は、額や頭頂部のいずれかから始まる薄毛で、人によっては同時に両方の部位から薄毛が始まることがあります。

AGAの発症メカニズム

AGAの直接の原因となるのは、男性ホルモンの一種である「DHT(ジヒドロテストステロン)」です。DHTは男性ホルモンの「テストテロン」が「5αリダクターゼ」という酵素と結合することで生成されます。

頭皮でDHTが生成されると、毛乳頭の男性ホルモン受容体に作用して、成長期の頭髪が退行期へ誘導されます。その結果、毛が十分に成長しないまま薄毛が目立つようになるのです。また、頭髪の成長期が短くなることで、毛包が縮小します。

AGAの発症は体質が影響しており、男性ホルモン受容体の感度や5αリアクターゼの活性の度合いなどは、遺伝的な要因が影響しています。特に母方の親族にAGAによる薄毛がみられる場合は、本人もAGAになる可能性が高くなるのです。

AGAは投薬治療が一般的

AGAは少しずつ症状が進行していく薄毛ですが、治療によって症状の進行を抑えたり、薄毛をカバーしたりすることができます。AGA治療の種類には主に以下のものがあります。

AGA治療の種類

この中でも第一選択となるのが投薬治療です。投薬治療は内服薬と外用薬を使用します。主な内服薬は、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドの3種類です。外用薬はミノキシジルが使われるのが一般的です。

AGA治療として自毛植毛を最初に考える人もいるかもしれません。薄毛の進行状況にもよりますが、自毛植毛は比較的コストが高く、最終手段として考えておくことをお勧めします。投薬治療は診療ガイドラインでも推奨されており、比較的費用が安く済む点でもおすすめです。

AGA治療はいつまで?完治は可能?

ここまでは、AGAの基礎知識についてお伝えしてきました。では、AGAは治療によって完治できるのでしょうか。そして、治療はいつまで続ける必要があるのでしょうか。詳しく解説していきます。

完治はしないが髪の毛は取り戻せる

結論からお伝えすると、AGAは治療によって完治することはありません。AGA治療はあくまでも対処療法であり、根本的な原因の解決には限界があります。

しかし、AGA治療により失った髪を取り戻すことは可能です。実際にAGA治療によって発毛効果を実感したり、AGAに罹る前の毛量まで戻すことのできた方は多くいます。

AGA治療は継続の必要がある

AGA治療は、一度薬を飲んだらすぐに薄毛が治るというものではありません。AGAの投薬治療の効果を実感するには、継続した薬の服用が重要になります。これは髪を育てるために必要な期間であり、早い人でも3ヶ月、一般的には6ヶ月以上の治療期間が必要です。

またAGAは進行性であるため、効果を実感できたらすぐに治療が終わるわけではありません。薬が血中に一定濃度保たれていることで、薄毛の進行を抑制しているため、ヘアボリュームをキープし、抜け毛を抑え続けるには、継続した治療薬をの服用が基本となります。

AGA治療は目標設定が大切

AGA治療は一般的な治療とは異なり、目標が明確に決まっているわけではありません。クリニックによって一定の基準は示されていることもありますが、最終的な目標を設定するのは、治療を受ける本人です。

毛髪の状態をどうしたいか、見た目をどこまで気にするかなど、本人の希望によって目標を決めることになります。「若い頃のフサフサの毛量に戻りたい」「これ以上抜け毛を増やしたくない」など、目標はそれぞれです。

その目標に沿って医師が、最適な治療法や治療期間などを判断してくれるでしょう。

AGA治療薬の減薬と注意点

毛量をキープし続ける場合、服薬継続が重要であるとお伝えしましたが、一定の効果が実感できれば減薬も可能です。1つの治療薬で治療している場合は、用量を減らすこともあります。また、複数の治療薬を服用している場合は、治療薬の数を減らせることもあります。

AGA治療は自由診療のため、保険適用外です。もし経済的な負担を軽減したい等の場合は、減薬という選択肢もあるでしょう。

自己判断での減薬は薄毛を加速させるリスクが

AGA治療薬の減薬で重要なことは、自己判断で行わないことです。ある程度の効果がみられると、自分の判断で薬の量を調整する方も少なくありません。

しかし、これにより、治療の効果が保たれずに元の薄毛の状態に戻ってしまうこともあります。どのタイミングでどれだけ減薬するかは、必ず医師と相談した上で決めるようにしましょう。

AGA治療を成功させるポイント

AGA治療でしっかりと効果を得るには、いくつかの大切な事項があります。ここではAGA治療を成功に導くポイントについて紹介していきます。

治療薬は必ずクリニックで処方してもらう

近年は、AGA治療薬をはじめさまざまな薬がインターネット経由で手に入るようになりました。AGAの投薬治療が長くなると、毎月の診察が煩わしくなったり、費用を抑えたりするために薬を個人輸入するケースも少なくありません。

しかし、AGA治療薬の多くは、もともと他の病気の治療薬として使われていたものであり、副作用のリスクがあります。そのため、AGA治療を行うときは、クリニックの医師に処方された薬を使うことが大切です。

また、インターネットで購入するAGA治療薬は、成分の濃度が高かったり、逆にまがい物である例もあります。健康被害が出たり、お金の無駄になってしまう可能性もあるため、注意しましょう。

日頃から薄毛・育毛対策をする

AGAの直接の原因は男性ホルモンですが、誤ったヘアケアや不規則な生活習慣が薄毛の二次的な要因となっていることがあります。例えば、薄毛を助長する生活習慣には以下のものがあります。

  • 頭皮が不衛生であるため毛穴が詰まり、すこやかな頭髪の成長が妨げられている。
  • バランスの悪い食事で、健康な髪を作るための栄養素が不足している。
  • 睡眠時間が短く、丈夫な髪が育ちにくい。

AGA治療を受けるときは、薬の服用量や時間を守るだけでなく、正しいヘアケアで頭皮を清潔に保ち、頭髪の育成を助けるために規則正しい生活習慣を心がけましょう。

AGA治療は継続が大切!いつまで続けるかは自己判断

AGAによる薄毛の進行を抑えるには、治療薬を飲み続ける必要があります。その一方で、年齢を重ねるにつれて薄毛が気にならなくなったり、見た目に対する価値観が変化したりした場合は、治療を中止することもできます。

髪を保つためには治療の継続は必要ですが、目標が明確に決まっているわけではありません。AGA治療をいつまで行うかは、あくまで自分の目標設定に併せて医師と相談して決めていくものと理解しておきましょう。

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

  • 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
  • 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

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