ハゲやすい髪質はある?髪質が変化する原因や薄毛との関係を解説

薄毛が目立ちやすい髪質と、髪質の変化と薄毛の関係について解説しています。髪質の変化が起こる原因や対策、薄毛の原因となりうる注意したい髪質の変化についても説明しているので参考にしてください。

目次

「ハゲやすい髪質はあるの?」
「猫っ毛で頭皮が透けているけど大丈夫?」
「髪が柔らかいと将来ハゲる?」

生まれつき髪質が細く柔らかい方の中には、将来ハゲるかもと心配している方も多いはずです。でも本当に、髪質によって薄毛になる可能性は変わってくるのでしょうか。

今回は髪質と薄毛の関係、さらに髪質が変化してしまう原因やリスクについて詳しく解説していきます。髪質について心配をしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

■ 本記事のサマリ

  • 髪質とハゲに直接的な関係はない
  • ただし、髪質が変わってきた、と感じた場合は薄毛の前兆の可能性があるため要注意
  • 髪質の変化の原因として、生活習慣の乱れやストレス等が挙げられる
  • 生活習慣改善でも髪質に変化が見られない場合、AGA(男性型脱毛症)の可能性も
  • AGAの場合、クリニックでの治療が必須となる

薄毛(ハゲ)が目立ちやすい髪質

髪質は生まれつきの体質によるものだけでなく、加齢や生活習慣などによっても変化することがあります。

さまざまな髪質の中でも、薄毛が目立ちやすいのが以下のタイプです。

猫っ毛

猫のように細くふんわりした髪の毛のことをいいます。通常髪の太さは0.08〜0.1ミリになりますが、それより細いと猫っ毛に当たります。

猫っ毛の場合、同じ髪の本数でも髪のボリュームが小さく髪も立ちにくいため、ハゲている印象を与えやすくなります。

髪自体も細いので、ヘアアレンジがしにくく薄毛をカバーしにくいのも特徴です。

軟毛

細めで柔らかくメラニン色素も少なめの髪のことです。

猫っ毛も軟毛のひとつになります。剛毛の人と比べると、髪の表面を覆うキューティクルが少なく、髪にコシがないのが特徴です。

髪のボリュームが出しづらく、髪が薄い印象を与えることがあります。

パーマやカラーなどのヘアアレンジによるダメージも受けやすい傾向もあります。

クセ毛

髪が真っすぐに生えずに縮れている状態をクセ毛といいます。クセ毛は生まれつきのものと、ヘアダメージや加齢による後天的なものがあります。

通常クセ毛はうねりがあるので、直毛の人と比べて髪全体のボリュームを出すことができます。

一方、毛が細いためにクセがついている場合は、髪のボリュームが少ないためハゲている印象を与えやすくなります。

髪質と薄毛(ハゲ)に直接的な関係はない

薄毛を引き起こす脱毛症はいくつかの種類があり、それぞれ原因が異なります。

しかし、髪質そのものが薄毛を引き起こす原因にはなりません。

細い髪の人は、脱毛症等で抜け毛が増えたときに薄毛が目立ちやすくなるため、薄毛の原因として結びつけてしまう人が多いのでしょう。

髪質が変化した場合には注意が必要

お伝えしたように、髪質によって薄毛になるかどうかが決まるわけではありません。

一方、注意したいのが以前は太くしっかりした髪が生えていたのに、髪が細く柔らかくなってきたなど、髪質が変化した場合は薄毛の前兆である可能性があります

髪が細くなっているかどうかは、普段の生活では気づきにくいこともあります。普段から鏡で髪の様子を確認したり、ブラシや枕についた抜けた髪をチェックしたりすることで、髪質の変化にいち早く気づけるようにしましょう。

髪質が変化してしまう原因

太くしっかりした髪質から細い髪質になると、脱毛症でなくても薄毛に見えることがあります。

また、薄毛が始まるサインの可能性もあるので注意が必要です。髪質が変化する原因には以下のものが考えられます。

睡眠がしっかり取れていない

夜眠っている間は成長ホルモンの分泌が高まり、髪をはじめさまざまな細胞の成長や修復が行われます。

毎日の睡眠時間が十分でないと、健康な髪が育ちづらくなるため、髪が細くなることがあるのです。

また、睡眠時間は取っていても睡眠そのものが浅いと、体が緊張状態に傾くので、頭皮環境を悪化させる原因になります。

食生活が乱れている

髪は毎日の食事で摂る栄養素から作られます。

過剰な食事制限をすると抜け毛が増えるように、偏った栄養の食事が続くと、健康な髪が作られにくくなるため髪質にも影響を与えるのです。

特にファストフードや加工食品は必要な栄養素が少なく、カロリーや脂肪分が高い傾向があり、皮脂分泌など頭皮環境の悪化の原因になることがあります。

過度なストレスを抱えている

強いストレスが続くと、10円ハゲができたり白髪になったりするように、精神的なストレスは髪質の変化を引き起こします。

過剰なストレスにより交感神経が優位になると、体の緊張状態が続くため、頭皮の血行不良を招きます。

頭皮の血行が悪くなると、髪が育つのに必要な栄養素や酸素がスムーズに届けられません。

過度に頭髪のケアをしている

髪を大切にするあまり、ヘアケアが過剰になると、頭皮や髪質に悪影響を及ぼします。

例えば、清潔な髪を維持するために1日に何度もシャンプーをするのは、髪に必要な皮脂まで洗い流されてしまうので、頭皮や髪への負担がかかるのです。

また、ヘアケア製品も自分の頭皮や髪に合っていなければ、頭皮に炎症を起こし、丈夫な髪が育ちづらくなる原因になります。

AGA(男性型脱毛症)

AGAは男性型脱毛症のことで、男性ホルモンの作用によって起こる薄毛です。

薄毛と言うと40代以降の男性にみられる加齢現象のイメージがありますが、AGAによる脱毛症は20〜30代の男性でも起こります。

AGAは特定の男性ホルモンの異常な増加によって起こります。

具体的には男性ホルモンの一種であるテストステロンが酵素の作用によりジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて毛根に作用することが原因です。

DHTが毛根に作用すると、髪の毛の生え変わりサイクルが短くなることで薄毛が進行します。

通常、髪の毛は成長期、退行期、休止期というヘアサイクルをくり返すことで生えたり抜けたりしています。

髪の毛が太く長く伸びていく成長期は通常なら4~6年ほどありますが、AGAを発症している方ではわずか数ヶ月ほどしかありません。

これにより、髪の毛がやせ細った髪質になったり、太く育つ前に抜けてしまったりするのです。

髪質が変化したときの対策

「最近髪が細くなった」「髪の立ち上がりが悪い」と感じたら、髪質に変化が生じているサインです。

不規則な生活習慣や誤ったヘアケアで髪質が悪くなっている場合は、頭皮環境の悪化につながり、薄毛になる可能性もあります。

自分の生活習慣やヘアケアに心当たりがある人は、悪い習慣を見直してみましょう。

睡眠をしっかりと取る

髪の成長を促す成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されます。

髪の主成分はタンパク質であるため、成長ホルモンの影響を強く受けます。成長ホルモンはアミノ酸の吸収率を高めて、タンパク質の合成を促進する作用があるためです。

人によって必要な睡眠時間は異なりますが、毎日7時間は睡眠時間を確保するようにしましょう。

特に入眠後3時間は、成長ホルモン分泌のピークとなる時間帯です。寝る前のスマホやカフェイン飲料の摂取を控えるなどして、睡眠の質を高めることも大切です。

頭髪に良い食事を心がける

丈夫な髪が育つには、栄養バランスのよい食事を取ることも大切です。髪の原料となるのはタンパク質ですが、ビタミンやミネラルも髪の育成に欠かせません。

例えば、亜鉛は髪のタンパク質であるケラチンの合成を助けます。またビタミン類は、頭皮環境を健やかに保つ作用があります。さまざまな食材を利用して、栄養バランスの良い食事を取るようにしましょう。

適度にストレスを発散する

健康な髪を育てるには、ストレス対策も重要です。

「病は気から」と言われるように、強いストレスは病気を引き起こすだけでなく、頭皮環境の悪化を招きます。

特に強いストレスが続くと、ストレスホルモンの分泌が増えて、皮脂分泌量が増える原因にもなります。

ストレスの原因を取り除いたり、気分転換により上手くストレス発散をしたりすることが大切です。

頭髪ケアを正しく行う

髪本来の健康な状態に保つためには、正しいヘアケアを行いましょう。

頭皮や髪の衛生状態を保つために、1日1回を目安にシャンプーを行いましょう。

抜け毛が目立つ人は頭皮の負担を減らすために、マイルドな洗い上がりのシャンプーを使うのもおすすめです。

髪を乾かす際には、タオルドライをした後にドライヤーを使いましょう。

髪をセットするときは、重くないテクスチャーのスタイリング剤を使うと、頭皮や髪に負担がかかりません。

髪質の変化の原因がAGAの場合は治療が必要

これらの生活習慣を正しても髪質の変化が続く場合は、AGAの可能性が高いです。

AGAが原因で髪質に変化が生じている場合、自然な改善は期待できず、放置するとどんどん髪質が変化して薄毛が進行していきます。

また、残念ながらAGAは生活習慣の改善や市販の育毛剤だけでは薄毛の進行を止めることができないため、対策としてクリニック等での治療が必須となります。

なお、AGA治療は早い段階で始めた方が効果が高いと言われています。
逆に、薄毛が進行した段階での治療開始は効果が出にくくなってしまうのです。

クリニックへの相談となるとハードルが高いと感じる方も多いと思いますが、最近では無料相談を受け付けている医療機関も多いです。

抜け毛の増加だけでなく、以前より細い毛が目立っている場合は、AGAの可能性があるので早めに医療機関に相談してみるようにしましょう。

髪質が変化したら薄毛(ハゲ)のサイン!クリニックへ相談

生まれつきの猫っ毛や軟毛自体は薄毛の原因ではありません。しかしながら加齢とともに頭全体の髪の量が少なくなると、細い髪により頭皮が透けたり、ボリュームが出せなくなったりすることで薄毛が強調されることがあります。

不規則な生活習慣や誤ったヘアケアにより髪質が変化している場合、頭皮環境も悪化している可能性があります。

特にAGAなど脱毛症が原因で髪質が細くなっている場合は、そのまま放置すると薄毛がどんどん進行します

もともと太い髪だったのに、生え際や頭頂部の毛が細くなっている場合、AGAの可能性があるかもしれません。早めにクリニックを受診して、薄毛対策を行いましょう。

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。

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