ストレスが原因でハゲるのは本当?薄毛・抜け毛と関係や改善方法

ストレスは薄毛(ハゲ)の原因になりえます。この記事では、ストレスと薄毛の関係などを詳しく解説しています。薄毛を気にされている方はぜひ参考にしてください。

目次

「ストレスは薄毛(ハゲ)の原因になる?」
「ストレスでハゲると言われるのはどうして?」
「ストレスを解消すれば薄毛は改善できる?」

薄毛とストレスの関係について、疑問や不安を持っている方も多いはずです。過度なストレスは、心身に負担をかけることは広く知られていますが、髪の毛に影響を与えるものなのでしょうか。

今回はストレスが薄毛につながる可能性やメカニズム、さらにはAGA(男性型脱毛症)との関係性などについても詳しく解説していきます。

■ 本記事のサマリ

  • ストレスは薄毛の要因となることがある
  • 自律神経の乱れによる血行不良やホルモンバランスの乱れが原因
  • ストレスは、男性の薄毛の原因の多くを占めるAGA(男性型脱毛症)を進行させる可能性も
  • 薄毛対策のためにも、生活習慣の改善や適切なヘアケアでストレス解消することを推奨

ストレスが薄毛(ハゲ)の原因になる理由

過度なストレスが薄毛・抜け毛を引き起こすことがあります。ここでは、ストレスが薄毛(ハゲ)の原因になる2つの理由について具体的にお伝えします。

自律神経の乱れ

自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。本来なら両者がバランスを取りながら働いていますが、ストレスがかかると均衡が崩れてしまいます。

薄毛は、交感神経が優位になった状況で生じやすいと言われています。交感神経が活発化すると緊張状態になり、体内の血液の流れが滞りやすくなるためです。これにより、血液中の栄養素が頭皮まで届きにくくなります。

健康的な頭髪には、栄養素は欠かせません。

血流低下は、頭皮の栄養不足を引き起こし、髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりしやすくなるのです。
その結果、薄毛につながってしまいます。

ホルモンバランスの乱れ

過度なストレス状態が続くと、ホルモンバランスが乱れ、抜け毛の増加につながることがあります。

脳内にはセロトニンと呼ばれる脳内伝達物質(ホルモン)が存在しますが、ストレスを抱えると分泌量が低下します。

その代わりに、快楽ホルモンと呼ばれるドーパミンや興奮状態になりやすいアドレナリンの分泌が促されるのです。ドーパミンやアドレナリンは、男性ホルモンの分泌量を増加させます。

しかし、男性ホルモンのテストステロンには髪の毛の成長を妨げる働きがあるのです。

そのため、髪の毛が成長しにくくなり、抜け毛が多い状態になることで、薄毛につながる確率も高くなってしまいます。

ストレスによる薄毛(ハゲ)サインは「抜け毛」に注目

ストレスによる薄毛(ハゲ)が進行しているかどうかは、抜け毛で確認が可能です。

ここでお伝えする3つの変化が起きている方は、薄毛が進行しているサインだと思って注意する必要があるでしょう。

抜け毛の量が増えた

一般的に、抜け毛の量は1日に50〜100本と言われています。
しかし、本数に限らず、抜け毛がこれまでよりも多くなった、と感じた場合は、薄毛が進行している可能性があります。

枕に付く髪の毛の量が多くなったり、シャンプーをした際に髪の毛がごっそりと抜けたりする場合などは、気を付けた方が良いでしょう。

抜け毛の毛根に異常がある

抜け毛の量が増えていないから、ハゲることはないと考える人も多いでしょう。しかし、抜け毛の毛根が不自然な形になっている場合は、薄毛の進行を疑う必要があります。

健康な人の抜け毛の毛根は丸く、白っぽい色をしています。ところが、毛根が小さいまたは丸みがなく、全体的に色が白っぽい場合は異常があるケースが多いので注意が必要です。

抜け毛が細くて短い

通常のサイクルで生じる抜け毛は、ハリや太さがある場合がほとんどです。そのため、抜け毛を見ても違和感はありません。

しかし、薄毛が進行しているケースにおいては、細くて短い抜け毛ばかりが見られることがあります。

ストレスにより頭皮環境に支障が出ている場合は、成長途中の髪の毛が抜けやすくなるため、このようなことが起きてしまうのです。

ストレスによって発症・進行する脱毛症

ストレスによる薄毛には、いくつかの種類があります。それぞれの症状や対策方法が異なるため、理解しておくことが大切です。ここでは、ストレスによって発症、または進行する脱毛症について解説します。

休止脱毛症

休止脱毛症は、ヘアサイクルが乱れてしまい、本来成長するはずの髪の毛が休止期を迎えることで抜け毛が起こる疾患です。

髪の毛は抜けたり生えたりを繰り返すことが通常です。そのため、ヘアサイクルが正常であれば、大量の髪の毛が急に抜けるようなことはありません。

しかし、ストレスなどの原因で休止脱毛症を発症すると、成長期の髪の毛が休止期になり、抜け毛が大量に発生します。さらに、新たな髪の毛が生えにくくなるため、薄毛が進行してしまうのです。

休止脱毛症は、ストレスや栄養不足が原因で起こると考えられています。改善のためには、これらの原因を解消しなくてはなりません。

抜毛症

抜毛症とは、髪の毛を抜きたいという衝動が抑えきれずに自分自身で抜いてしまう疾患です。

抜く髪の毛の量は少しではなく、外から見て目立つほど抜くという特徴があります。

原因として考えられるのは、不安や緊張などのストレスです。
抜毛症を解消するには、まず自分が髪を抜いていることを認知する必要があります。そのうえで、ストレスを発散するなどの心がけが大切です。

円形脱毛症

円形脱毛症とは、髪が1箇所またはところどころ円形に抜ける病気のことを言います。

円の大きさは10円玉程度です。円形脱毛症はストレスで生じるとされていますが、まだはっきりとした原因は分かっていません。

また、円形脱毛症は「円形」という言葉が付いていますが、重篤になれば髪全体が抜け落ちることもあります。この症状が疑われたときは軽く考えずに、早めの治療を心がけましょう。

AGA(男性型脱毛症)

AGA(男性型脱毛症)は、主に男性ホルモンに起因して発症するものです。

男性の薄毛の原因9割を占めており、3人に1人が発症すると言われています。

ストレスはAGAの発症の原因ではありませんが、頭皮環境を悪化させる原因になります。
そのため、AGAの進行を加速させてしまう可能性があるのです。

AGAは進行型の脱毛症のため、クリニック等での適切な治療をしなくては薄毛の症状は酷くなる一方です。

適切な治療と併せて、ストレスを溜めない生活を心がけることで、薄毛の進行を抑えられる可能性があります。

薄毛(ハゲ)対策|ストレスによる抜け毛の改善方法

ストレスによる薄毛(ハゲ)を改善・予防するには、日々の心がけが大切です。ここからは、効果的な抜け毛・薄毛対策をご紹介します。

睡眠を十分にとる

睡眠が不足すると、心身に悪影響が及びます。
例えば、イライラしやすくなったり、疲労感を持ちやすくなったりすることが多くなるのです。

また、睡眠の質が低下するとストレスが溜まりやすくなったり、ホルモンバランスが乱れやすくなったりします。

そのため、少なくても7時間程度の睡眠を取るように心がけましょう。

適度な運動を取り入れる

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動をすると、副交感神経が優位になります。それにより、心が穏やかになり、リフレッシュすることが可能です。

運動が日常の習慣になれば、適度にストレス解消ができるようになります。

同時に、頭皮環境のバランスが整えられ、ヘアサイクルの乱れも防ぐことができるでしょう。

食生活の改善

食事を取らなかったり、栄養が偏ったりすると髪に大きなダメージを与えることになります。

食事にはさまざまな栄養素が含まれており、それらが血液を介して頭皮に行きわたることで、髪の毛が健康的に成長します。

髪の毛の成長には、タンパク質やビタミン、亜鉛などの栄養素が欠かせません。

これらが多く含まれた食事を規則正しく、バランス良く食べることで、薄毛予防が期待できるでしょう。

正しいヘアケアを行う

ハゲ対策には、髪に適切なヘアケアを行うことも重要です。

そのためには、シャンプーやそれに付属したケアを心がけましょう。
薄毛にならないためには、髪の毛や頭皮を清潔に保つことが必要になります。

具体的には、毎日優しくシャンプーをしたり、頭皮マッサージをしたりするのがおすすめです。

シャンプーは、髪や頭皮の汚れを洗い流すので衛生的です。また、頭皮マッサージは頭皮の血行を良くして、体内の栄養素が髪までスムーズに届くようにする手助けをします。

AGAの場合は適切な治療が必要

男性の薄毛の原因の多くを占めるAGAは男性ホルモンが原因の脱毛症のため、ここまで紹介したような対策をしても、残念ながら薄毛は改善されません。

AGAが疑われる場合は、専門のクリニックを受診することが大切です。クリニックでは、症状に合わせて外用薬や内服薬を処方するなど、適切な治療を提案してくれます。

また、AGA治療は早期に始めるほど、薄毛改善が期待できる治療です。少しでも薄毛が気になるという方は、すぐにでもクリニックを受診し、まずは薄毛の原因を特定しましょう。

外的ストレスにも注意が必要

薄毛の原因となるのは、精神的なストレスだけではありません。頭髪への外的なストレスが薄毛の原因になってしまうこともあるのです。特に気をつけたい外的ストレスについてお伝えします。

過度なヘアケア

薄毛対策にシャンプーをするのは有効ですが、シャンプーのやり方には気を付けましょう。

1日に何度もシャンプーをしたり、強くゴシゴシしたり、刺激の強いシャンプーを使ったりすることは避けてください。

過度なシャンプーは必要な皮脂まで洗い流すことにつながり、頭皮の乾燥を招いてしまいます。
頭皮が乾燥すると、血行不良やフケの大量発生など、頭皮環境の悪化につながります。その結果、抜け毛が増えてしまうこともあるのです。

紫外線

紫外線は頭皮に大きな負担を与えます。
それだけでなく、長時間紫外線を浴びると、タンパク質の合成反応を妨げることにもつながるのです。

髪の毛の大部分は、ケラチンと呼ばれるタンパク質の一種で構成されています。

そのため、紫外線によりタンパク質の合成反応が妨げられると、髪の毛が細くなったり、抜けやすくなったりしてしまうのです。

無理なヘアセット

整髪料のつけすぎや髪を強く引っ張った状態など、無理なヘアセットは髪や頭皮への大きな負担になります。

整髪料をつけすぎると毛穴に詰まってしまい、頭皮を清潔な状態に保てません。炎症を起こしてしまう可能性もあり、その結果、抜け毛を招いてしまうのです。

また、髪を強く引っ張った状態が続くと、牽引性脱毛症を引き起こすことがあるので注意が必要です。

ストレス対策は薄毛(ハゲ)予防のために重要

今回は、ストレスと薄毛(ハゲ)の関係について詳しくお伝えしてきました。過度なストレスは、薄毛の原因となります。しかし、ストレスは目に見えないため、なかなか予防が難しいのも事実です。ここで紹介した対策方法を実践して、ぜひ予防にお役立てください。

また、薄毛の原因がストレスではなく、AGAの場合は適切な治療が必要です。薄毛の原因がわからずに不安という方は、まずはクリニックへの相談をおすすめします。

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

  • 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
  • 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

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