「つむじ周辺の髪の毛がはげてきた気がする」
「頭頂部がはげてきたので、ヘアセットが大変」

このような悩みを抱えている人は少なくないと思います。頭のどこから薄毛（はげ）になるかは人それぞれですが、つむじからはげることはめずらしくありません。

この記事では、つむじはげの原因や対策について解説します。つむじはげを予防・改善したい人は、ぜひ参考にしてください。

■ 本記事のサマリ

• つむじはげはつむじ周りの髪が細くなったり、ハリやコシが無くなるのが特徴
• つむじはげの原因はAGA（男性型脱毛症）がほとんど
• AGAは生活習慣の改善では改善できず、クリニックでの投薬治療等が必要となる
• AGA治療は早い段階の方が高い効果が見込めるため、少しでもつむじはげが気になったらまずはクリニックに相談することを推奨

つむじ（頭頂部）はげの見分け方

つむじはめずらしいものではないため、はげているのか、髪の流れによるものなのかが分かりにくい場合もあることでしょう。以下に、つむじはげの見分け方についてお伝えします。

健康なつむじとつむじハゲの特徴

頭皮の色が赤色or茶色

つむじはげになると、頭皮が赤みが出たり、茶色に近い暗い色になります。
一般的な頭皮の場合は白色か肌色なので、色に違和感がある際は注意が必要です。

つむじはげの頭皮が変化するのにはいくつかの理由があります。

その中の一つとして、つむじはげによる地肌の乾燥が挙げられます。
地肌の乾燥により頭皮環境が乱れ、頭皮の色が変化しやすくなるのです。

他にも、つむじはげは頭頂部が薄くなるので、紫外線の影響を受けやすくなります。髪が薄いと日焼けをしやすくなり、頭皮が赤色や茶色になる可能性が高くなるのです。

つむじ周りの髪が細いor短い

髪の毛にハリやコシがなくなったり、つむじ周りの髪の毛の生え方が不均衡になったりすれば、つむじはげを疑ってもいいでしょう。

なぜなら、ハリやコシが衰えると、髪の毛は細くなるうえに抜け毛も増えるので、髪の毛自体が短くなるからです。

一方、頭皮環境が健康であれば、つむじ周辺の髪の毛は丈夫でバランス良く生えそろっています。

つむじの地肌が透けて見える

髪の毛のコシが減り、細くなると、頭頂部がボリュームのない状態になり、髪全体の量が少なくなったような印象を与えます。

特に、上からや後ろから見ると地肌が透けて見える場合が多いので、気づきやすい薄毛（はげ）のタイプだと言えるでしょう。

髪の流れがはっきりしていない

ただのつむじとはげの違いは、つむじの流れがどのような状態にあるかでも判断が可能です。

一般的なつむじであれば、左か右に渦を巻いたように髪が流れています。

ところが、つむじはげなら髪の流れが直線的で、曖昧です。このようになる原因は、髪の毛が細くなり、本数も減るためだと言われています。

つむじはげの大半はAGA（男性型脱毛症）が原因

つむじはげの原因は、AGAがほとんどです。

AGAとは男性型脱毛症のことで、男性ホルモンの異常によって生じます。

5αリダクターゼという酵素により発生するジヒドロテストステロンと呼ばれる男性ホルモンが原因で発症する疾患です。
ジヒドロテストステロンは、ヘアサイクルを乱すことで抜け毛の数を増やしたり、髪の成長を阻害し、髪質を細くします。

また、ジヒドロテストステロン産生の元となる5αリダクターゼは頭頂部に多く存在しています。
この性質の影響で、頭頂部から薄毛が進行するつむじはげになることが多いのです。

一方、AGAは年配の男性だけではなく、20代でも陥る場合が少なくありません。

AGAは遺伝的要因が強く、母方の親族に薄毛が多いケースでは、発症する可能性が高いと言えます。

AGA以外のつむじはげの原因

つむじはげには、AGAが原因ではない場合も存在します。

特に軽度のつむじはげには、AGAと合わせて以下のようなものが関係している可能性が高いです。

生活習慣の乱れ

運動を全くしない、睡眠不足が続くなどの乱れた生活習慣を送っていると、つむじはげになる可能性が高まります。

なぜなら、運動不足になると血行が滞り、頭部まで血液が行き渡らず、頭皮環境が悪化しやすくなるからです。

また、睡眠中は成長ホルモンが活発になることから、髪の毛も成長しやすくなると言われています。

しかし、睡眠が十分でないと、成長ホルモンが分泌する機会も減ることになりますので、髪の毛の成長が妨げられてしまうのです。

食生活の乱れ

同じものばかり食べたり、高脂質な食べ物を口にしたりしていると、髪にも悪影響を与えます。

栄養が偏ると体内の血液が循環しづらくなり、頭皮にまで必要な栄養素がスムーズに届くことが難しくなります。

その結果、健康な髪の毛が育ちにくくなるのです。

また、高脂質な食べ物は悪玉コレステロールが多く、血液をドロドロにしてしまいます。
それが頭皮の血行不良を招き、抜け毛につながることがあるのです。

ストレスの蓄積

ストレスは、心と身体に大きな影響を与えます。そのため、髪の毛も少なからずストレスの刺激を受けてしまいます。

ストレスが溜まると交感神経が優位になり、体内の血液の循環が悪くなることが少なくありません。

その結果、頭皮にまで栄養が届かずに髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりする場合が多くなるでしょう。

誤った頭髪のケア

正しいヘアケアをせずにいると、つむじはげの原因になることがあります。

例えば、1日に何度もシャンプーをしたり、爪を立てて洗髪したりすると、頭皮や髪にダメージを与える結果になり、逆に薄毛になりやすくなってしまうこともあるのです。

つむじはげの原因がAGAの場合は治療が必要

つむじはげの原因の大半を占めるAGAは放置しておくと、薄毛が進行していきます。治療をせずに改善することはできません。

AGAの治療方法には、以下のようなものがあります。

主なAGA治療は３種類

AGAの多くは、内服薬と外用薬で治療が行われます。

この2つで効果が見えない場合は、メソセラピーや自毛植毛を併用します。

AGA治療の種類とその内容

投薬治療から始めるのが一般的

AGA治療は、個人に合った方法で行われます。

ただし、多くの場合は安全性の高い投薬治療から始めることが一般的です。

内服薬として処方されることが多いのが、ミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドです。

ミノキシジルには、発毛を促す効果があります。
そして、フィナステリドやデュタステリドには脱毛を抑制する効果があり、抜け毛の防止が期待できます。

薄毛の進行状態にもよりますが、発毛を促すミノキシジルと脱毛を抑制するフィナステリドかデュタステリドを併用する場合が多いです。

また、AGAの症状が軽い内に治療を開始する方が治療効果が高く出ることにも留意しておきましょう。
逆に、薄毛が進んでからの治療は、治療効果が出にくくなるリスクがあります。

なお、AGA治療を行う際に注意したいのは、治療薬を必ず専門のクリニックで処方してもらうことです。

個人輸入の方が費用は割安になる場合が多いですが、偽物のケースもあることから、健康被害に見舞われる可能性もあるので注意しましょう。

市販の育毛剤や発毛剤には「抜け毛を抑える」効果がない

クリニックでの治療の前に、市販の育毛剤や発毛剤での治療を試みる方も多いと思います。

症状が軽い内は、市販の育毛剤で頭皮の環境を整えたり、発毛剤で発毛を促すことで薄毛の改善が期待できる場合もあります。

しかし、AGAは進行性の疾患です。
現時点では市販の育毛剤や発毛剤では発毛を促すことができても抜け毛を抑えることができません。

最初は市販の薬で治療を開始していたが、AGAが進行するに連れて効果不十分になり、クリニックでの治療に切り替えられる方も少なくないようです。

日常からできるつむじはげの対策方法

クリニックでの治療の補助的な役割として、治療効果を最大化するためには生活習慣の改善も重要となります。

以下に挙げるような対策は、つむじはげの予防にも繋がります。
個人の意識しだいで対策が可能なものばかりですので、是非対策の一つとして取り入れてみてください。

生活習慣の見直し

つむじはげの予防には、生活習慣を見直すことが重要です。

例えば、適度な運動と質の良い睡眠を心がけましょう。
ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動は、血液のめぐりを整えてくれます。

また、睡眠をしっかり7〜8時間取ることで、成長ホルモンがスムーズに分泌しやすくなります。

食生活の改善

食事は、栄養をバランス良く取ることを心がけましょう。

具体的には、髪の毛の大半を占めるタンパク質や育毛効果が期待できる亜鉛などを積極的に摂ることが大切です。

タンパク質は鶏のささみやチーズ、亜鉛は牡蠣やレバーなどに豊富に含まれています。

ストレスの解消

ストレスは、目に見えないため軽視しがちです。

そのため、気が付いたときには取り返しのつかないケースに陥っていることもあります。

ストレスを溜めないためには日頃からの意識が大切です。

趣味に打ち込んでストレスを発散したり、ゆっくり入浴する時間を設けてリラックスしたりする工夫をしてください。

正しい頭髪のケア

髪を清潔に保つために、シャンプーをこまめに行いたいという人もいるでしょう。
しかし、シャンプーのしすぎは頭皮を乾燥させるので、髪が抜けやすい状況を作ってしまいます。

そのため、シャンプーは1日に1回で十分です。

また、洗髪の際は指の腹を使ってください。
頭皮を傷つけると、細菌などが発生し、頭皮環境を悪化させる可能性があります。

つむじはげに関するQ&A

つむじはげは、多くの人が経験する可能性があります。
そのため、不安や心配を抱えている場合も少なくないでしょう。

以下に、つむじはげに関する質問や疑問の回答を、いくつかお伝えします。

10〜20代でもつむじはげになる？

10〜20代でも、つむじはげになる場合はあります。

例えば、AGAは男性ホルモンが影響するので、思春期以降であれば誰でも陥る可能性が高いです。

AGAの治療は、20歳から可能となります。
早めに治療をすれば速やかに改善し、治療費も少なく済む場合が多いです。

もしかしてつむじはげかも？と思った段階で、早めにクリニックに相談をすることをお勧めします。

つむじはげが目立ちにくい髪型は？

つむじはげは、頭頂部を目立たせない髪型にすることが効果的です。

例えば、頭頂部にパーマをかけてボリュームを出すのも、ひとつの方法だと言えるでしょう。

また、カットの仕方を工夫するのもおすすめです。
頭のサイド部分を短くカットすることにより、人の視線は頭頂部に集中しづらくなります。

女性でも頭頂部が薄くなることがある？

女性も、頭頂部が薄毛になる場合があります。

男性と同様に、生活習慣や食生活の乱れが原因になりますが、女性ホルモンが影響している可能性も高いです。

女性ホルモンには、エストロゲンという種類があり、これは髪の毛の成長を促す働きを備えています。

しかし、加齢によってエストロゲンは減少します。そのため、髪の毛が成長しにくくなってしまうのです。

このしくみによって、つむじにはげが生じることがあります。

つむじ（頭頂部）はげは早めの対策・治療が重要

つむじはげは、誰もがなる可能性があります。頭頂部にボリュームがなくなったり、頭皮が透けて見えるようになったりしたら、早めの対策を心がけましょう。

また、つむじはげの原因の多くはAGAと言われています。AGAが原因のケースでは、治療を速やかに始めることで薄毛の改善が期待できます。少しでも不安な方は、AGAクリニックへの相談がおすすめです。