AGA治療の効果が出るまでの期間は?薄毛の改善が早い人の特徴

「AGA治療は効果が出るまでどれくらい?」「早く効果を出すためにはどうしたらいい?」とお悩みの方に向けて、この記事では効果が出るまでの期間や治療のポイントを解説しています。

目次

「AGA治療を始めたけど、まだ効果が出ない」
「効果が出るまではどれくらいかかるものなの?」

このような疑問をお持ちではありませんか?治療を始めたのに、なかなか効果が出ないとモチベーションが続かなかったり、「本当に効くの?」と不安に思ってしまったりします。

そこで今回は、AGA治療の効果が出るまでの平均的な期間や、早く効果を実感するためのポイントなどを詳しく解説します。

■ 本記事のサマリ

  • AGA治療は効果が出るまでに平均3-6ヶ月程度かかる
  • AGA治療の開始後1ヶ月程度で起きる初期脱毛は、治療効果の現れなので、継続治療を推奨
  • AGA治療の効果を早く出すためには、
    • できるだけ早いタイミングで、
    • クリニックで適切な処方を受け、
    • 医師の指示通りに服用を継続することが重要

AGA治療は高い確率で効果が実感できる

一般的に、AGA治療薬で治療を行なった方の多くが効果を実感しています。へアテクトで治療をしていた患者さまを対象としたアンケートでも、半年以上のお薬の服用で93%が毛髪量の維持・発毛の実感があったと回答しています。そのため、せっかく治療を始めたのにもしも効かなかったら、と心配しすぎる必要はありません。

たとえばAGA治療薬の代表でもあるフィナステリドは、1日1mgの服用を3年間続けることで「軽度以上の改善」が見られた方が全体の78%を占めていました*¹。また、801名の日本人を対象とした別の試験では、1日1mgのフィナステリドを5年間服用した方の99.4%で写真評価による発毛効果が確認されています*²。
*1 ORGANON PRO『プロペシア®錠 臨床成績』
*2 吉竹 俊裕.「日本人の男性型脱毛症に対するフィナステリド長期投与の801例調査」

このように、AGA治療は多くの方が効果を実感できる治療です。ただし、効果を実感するためには自己流ではなく、クリニックを受診して正しい方法で適切な治療を続ける必要があります。

AGA治療の効果が出るまでの期間

AGA治療を始めてから効果が出るまでの期間は、人によって、また薬の種類によって少しずつ異なるものです。今回は全国のクリニックで一般的に使用されているミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドについて効果が出るまでの期間を見ていきましょう。

AGA治療の効果が出るまでは平均3〜6ヶ月

AGA治療を始めてから効果が出るまでの期間は、個人差があるものの平均すると3〜6ヶ月程度だといわれています。意外と時間がかかると思った方もいるかもしれません。

鎮痛剤や鼻炎薬は飲んで数十分もすれば効いてくるのに、なぜAGA治療薬はここまで時間がかかるのでしょうか。

それは、ヘアサイクルが関係してくるためです。ヘアサイクルとは、髪の毛が生えたり抜けたりをくり返す一連の流れのこと。次のように、髪の毛は成長期と退行期、休止期をくり返しています。

  • 成長期:髪の毛が太く長く伸びていく時期
  • 退行期:髪の毛の成長が止まる時期
  • 休止期:髪の毛が抜け落ちていく時期

AGA治療は、成長期に移行した髪の毛がすぐ退行期や休止期に入らないようにするためのものです。
休止期の期間はおよそ3〜4ヶ月あるため、AGA治療を始めたとしても、今まさに休止期にある髪の毛が成長期に移行するためには最低でも3〜4ヶ月かかります。

また、成長期に入ったからといって目に見えてわかるほどすぐに髪の毛が増えるわけではないため、効果が出るまでに3〜6ヶ月ほどかかってしまうのです。

ミノキシジル(内服薬)は約4~6ヶ月目から効果実感

ミノキシジルは、血行を促したりAGAの発症によって短くなった成長期を正常化したりすることで発毛を促します。早い方では服用を始めて3ヶ月、平均すると4〜6ヶ月ほどで効果を実感できるといわれている治療薬です。

ただし、これはあくまで目安なので、もっと早く実感できる方もいれば、もう少し時間がかかってしまう方もいるでしょう。

6ヶ月と聞くとかなり長く感じるかと思いますが、AGA治療は基本的に気長に治療を行なうことが前提です。即効性がないため挫折してしまう方もいますが、最低でも6ヶ月は服用を続けてみてください。

フィナステリドは効果実感まで約6ヶ月掛かる

フィナステリドは、AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)が作られるのを阻害する飲み薬です。プロペシアという商品名でも知られており、服用を始めて6ヶ月程度で効果を実感できる方が多いといわれています。人によっては2〜4ヶ月ほどで実感できる方もいるようです。

DHTは、テストステロンに5αリダクターゼ(5α還元酵素)が働くことで作られます。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類があり、フィナステリドはⅡ型の5αリダクターゼを阻害する治療薬です。

ミノキシジルは発毛を促す薬ですが、フィナステリドはAGAの進行を食い止める守りの治療薬として知られています。

デュタステリドも効果実感までは約6ヶ月

デュタステリドは、フィナステリドと同じくDHTの生成を抑える飲み薬です。ザガーロという商品名でも知られており、Ⅱ型だけでなくⅠ型の5αリダクターゼを阻害する働きがあります。

効果が出るまでの期間はおよそ6ヶ月です。デュタステリドの添付文書にも、「効果を評価するためには、通常6ヶ月間の治療が必要である」と記載がされています。なお、人によっては3ヶ月程度で効果を感じる方もいるようです。

フィナステリドよりも強力に5αリダクターゼの働きを抑えてくれるため効果が高いといわれていますが即効性はないため、こちらも焦らずに継続的な治療を続けていく必要があります。

AGA治療の効果が出るまでのイメージ

AGA治療の効果が出るまでには約3〜6ヶ月必要です。ただし、ある日当然いきなり髪の毛が大量に生えてくるわけではありません。

あくまで一般的な流れですが、次の表のように少しずつ髪の毛が増えていき、最終的にAGAを発症する前と同じくらいのボリュームになっていきます。

AGA治療期間と髪の毛の変化

初期脱毛は一時的なもので「効果の表れ」

初期脱毛とは、AGA治療を開始して10日から1ヶ月くらいで起こる一時的な脱毛のことです。AGA治療を始めると乱れていたヘアサイクルが一旦リセットされるため、急激に抜け毛が増えてしまうことがあるのです。また、新しく生えてきた髪の毛が古い髪の毛を押し出すことも原因の一つです。

初期脱毛が始まると「このまま抜け毛がひどくなるのでは」「もう二度と髪の毛が生えてこないのでは」と心配になる方がほとんどだと思います。しかし、初期脱毛はあくまで一時的なものに過ぎず、脱毛が始まってから3ヶ月ほどすると落ち着いてきます。

薄毛を改善するために治療しているのにさらに抜け毛が増えるのはかなりつらいことかと思います。しかし、初期脱毛が起こったら薬が効いている証拠ですので、治療を投げ出したくなる気持ちをぐっとこらえて効果が出るまで服用を続けましょう。

AGA治療は効果が出たら終わりではない

AGA治療を継続すれば、多くの方が発毛を実感できます。しかし、効果が出てきた=治療が終わりというわけではありません。

残念ながらAGA治療薬は、AGAそのものを治すものではなく、症状が進まないように食い止めながら発毛を促すものです。治療をストップすると、安定していたヘアサイクルが再び乱れたり、DHTが脱毛を促進することで薄毛が再発したりする可能性があります。

治療を止めたその日からすぐに抜け毛が増えるということはありませんが、治療を止めた状態が続くと、治療前の薄毛の状態に戻ってしまう可能性もあります。髪の毛のボリュームを安定して保ちたいのなら治療を継続していく必要があるでしょう。

一定の効果が出たら減薬は可能

治療を継続しないと薄毛が再度進行してしまうとお伝えしましたが、ある程度の効果が出始め、ボリュームが安定してきたら服用している薬の量を減らすことはできます

ただし、急激な薄毛の進行等に繋がるリスクがあるため、自己判断での服用量の調節は行わないようにしてください。医師が治療効果や発毛の状態を見たうえで判断し、その人に合った服用量を決定します。

また、治療の途中で気になることがあれば、他の薬に変えることも可能です。クリニックの医師とその都度相談しながら最適なAGA治療を継続できるようにしましょう。

AGA治療の効果が出るまでが早い方の特徴

AGA治療の効果が出るまでには3〜6ヶ月とかなり個人差があります。この期間はもともとの体質に依存する部分もありますが、それ以外にも効果の発現に影響を及ぼすものもあるので確認しておきましょう。

クリニックで治療薬の処方を受けている

AGA治療薬はクリニックを受診しなくても個人輸入で購入することができます。個人輸入の方が費用が安いので、飛びつきたくなる方もいるでしょう。しかし、効果が出るまでの期間を少しでも早めたいのなら、個人輸入品を利用するのは控えることをお勧めします。

その理由として、個人輸入だと安く治療薬を購入できますが、薬物成分量が多すぎて危険な薬が安易に手に入ってしまったり、逆に有効成分がまったく入っていない偽物の薬をつかまされたりする可能性があります。
実際に個人輸入でのトラブルは頻繁に起こっており、厚生労働省からも注意喚起がされているほどです。

薬を飲んでも効かないだけならまだよいほうで、ひどい場合は健康被害を受けることもあります。効果的に、そして安全に治療を進めていくためにもクリニックを受診して治療を行なうようにしてください。

治療を始めるのが早かった

AGAは治療を始めるタイミングが早ければ早いほど効果も表れやすくなります。髪の毛を作っている毛母細胞が細胞分裂できる回数には上限があり、上限を迎えると、なにをしても髪の毛が生えてくることはありません。

AGAを発症している方は成長期が短くなる分、ヘアサイクルが健康な方より短くなっています。その影響で毛母細胞も早く寿命を迎えやすくなっているため、治療が遅れると効果が出にくくなってしまうのです。逆にいえば、早く治療を始めれば効果も出やすくなります。

内服薬と外用薬を併用している

AGA治療薬にはミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドの内服薬とミノキシジルの外用薬とがあります。どれか1つを使って治療を行なっても効果は出ますが、併用したほうがより効果的です。

フィナステリドやデュタステリドとミノキシジルは毛髪への働きかけ方が違うため、併用することでより強固に発毛を促し、抜け毛を防ぐことができます。この場合、ミノキシジルの外用薬とフィナステリド、もしくはデュタステリドの組み合わせが一般的です。

なお、ミノキシジルの外用薬と内服薬は、同じ薬同士なので併用してもあまり意味がないため、同時に使用することはほぼありません。

AGA治療の効果を早く実感するためのポイント

AGA治療の効果を早く実感するためには、用法用量を守って薬を使用することが一番です。さらに次のポイントも押さえておくとさらに効果を実感しやすくなります。

食生活に気を付ける

髪の毛をはじめ、私たちの体は食べたものから作られています。そのため、髪の毛の成長を助ける食生活を心がけることで、発毛をサポートできるでしょう。

具体的にはたんぱく質やビタミンB6、ビタミンEや亜鉛が髪の毛の健康のためによいと言われている栄養素です。たんぱく質は肉や魚、卵など、ビタミンB6はバナナや赤身の肉、ビタミンEは卵やアボカド、亜鉛は牡蠣や豚レバーに多く含まれています。

規則正しい生活習慣を心がける

睡眠中には、髪の毛の成長を促すホルモンの分泌が盛んになります。成長ホルモンの1つであるIGF-1には、毛母細胞の働きを促進したり血行をよくしたりする働きがあることが特徴です。

睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が十分ではなくなるため、髪の毛の健康に影響が出る可能性があります。
翌日のお昼に眠気を感じない程度に睡眠をしっかり取る生活を心がけましょう。

正しい頭髪のケアをする

髪の毛の土台となる頭皮の状態がよくなければ、健康な髪の毛は生えてきません。余分な皮脂は洗い落とし、炎症やかゆみがあるようであればしっかり治療しましょう。

頭皮にトラブルがあるのに放っておいたり、逆に毛穴の詰まりを取ろうと一日に何度もシャンプーしたりしても、抜け毛が増えてしまう可能性があります。

AGA治療の効果が出ない原因

まれに、AGA治療薬を使用しても思うような効果が出ない方がいます。効果が出ない方に共通してよく見られるのが次の3つの項目です。

自己判断で服用中止・減薬をしている

「副作用が出たから量を減らそう」「薬がもったいないから少なめに飲もう」など、自己判断で飲む量を減らすと効果は出づらくなります。AGA治療薬はどれも決められた量をしっかり飲むことで効果が出るものです。

また、AGA治療は血液中にある薬の成分量を一定に保たなければうまく効果が出ません。服用量を減らしたり途中で飲むのを止めたり、また頻繁に飲み忘れたりする方は効果がなかなか出ないことがあるでしょう。

治療薬が合っていない

医師の指示通りに服用しても効果が出ない方もいます。薬には身体との相性があるため、正しく服用しても100%の方に効果が出るとは言い切れません。

多くの方が効果を実感できることがほとんどですが、継続して服用しても効果が見られない場合はほかの薬への変更を検討してみてください。効果について不安がある方は、担当の医師に相談して治療薬の見直しをしてもらうとよいでしょう。

AGA以外の脱毛症の可能性がある

男性が薄毛になる原因のほとんどはAGAです。しかし、ほかに円形脱毛症や粃糠(ひこう)性脱毛症、甲状腺機能亢進症なども脱毛の原因となります。
AGAは頭頂部や生え際から進行していきますが、もしそれ以外の部分の薄毛が気になっている場合は別の疾患が原因かもしれません。

AGA以外が原因で起こっている脱毛症にAGA治療薬を使用しても、効果は出ないため注意してください。AGAかどうかをきちんと見分けてから治療を行なうためにも、クリニックの受診が大切です。

※AGA以外の脱毛症についてはこちらの記事もご覧ください。
薄毛・抜け毛の原因はAGA以外にもある?脱毛症の種類や症状

AGA治療の効果は出るまでに時間が必要!早めに始めよう

AGA治療を始めてから効果が出るまでには3〜6ヶ月ほどの期間が必要になります。これは、ヘアサイクルの関係上、治療を始めてもすぐには髪の毛が成長期に移行しないためです。早くても効果の実感には3ヶ月ほどかかるため、効果がないと途中で諦めず治療を継続しましょう。

また、AGAは治療開始が遅くなるほど毛母細胞の寿命が早まるため効果が出にくくなります。確実に効果を出すためにも、薄毛が気になり始めたらできるだけ早くクリニックを受診して治療を始めることが大切です。

天野 方一 先生

ヘアテクト 顧問医師

日本抗加齢医学会専門医

埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

※本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。

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