薄毛や抜け毛の相談は病院の皮膚科?AGAクリニックとの違いは?
薄毛や抜け毛の原因がAGA以外の場合、一般病院の皮膚科や内科、または必要に応じて心療内科や婦人科などで治療を行います。一方、AGAの場合はAGA専門のクリニックに相談してみると良いでしょう。
「抜け毛や薄毛の相談はどこにすればいいの?」
「AGAだと専門のクリニックに行ったほうがいいの?」
気になりはじめた薄毛をどうにかしたいと考えたときに迷うのが相談先選びです。すぐに治療を始めたくても薄毛をどこに相談して良いか分からず、もどかしい思いをされた経験があるのではないでしょうか。
薄毛や抜け毛の相談先は、原因によって異なります。何が原因で薄毛となっているのかが分かれば、自ずと受診先も見えてくるはずです。
そこで、今回は脱毛症の種類や症状に応じた受診先、AGAクリニックのメリットなどを解説します。
■ 本記事のサマリ
- 急激な脱毛や、薄毛と合わせて頭皮トラブルがある人等は、まず皮膚科受診を推奨
- 一方で、男性の薄毛の原因の多くはAGA(男性型脱毛症)が占めると言われている
- 薄毛の原因がAGAの場合、AGA専門クリニックへ相談することを推奨
- AGAクリニックを選ぶときには、治療費やオンライン対応有無、信頼性に注目し、長く治療を継続できるかで判断
適切な相談先は薄毛・抜け毛の原因で異なる
薄毛や抜け毛は、なぜ起きたかによって受診先が異なります。
そもそも、薄毛や抜け毛の原因は複数あり、それぞれに応じた根本治療が必要です。例えば、ストレスから来る脱毛で皮膚科に通い続けても対症療法にしかならず、完治は困難でしょう。薄毛の治療は要因を特定してから進めるべきです。
脱毛の受診先には以下のパターンがあります。
- AGA(男性型脱毛症)の場合:AGA専門のクリニック
- AGA以外の場合:一般病院の皮膚科か内科
脱毛の原因が特定しづらい場合、まずは皮膚科を受診して医師に相談してみると良いでしょう。
急な脱毛や頭皮トラブルがある場合は皮膚科や内科へ相談
AGA以外からくる脱毛の場合、基本的に皮膚科か内科で治療を行います。
ここでは脱毛症の種類や一般病院での治療内容などを見ていきましょう。
AGA以外の薄毛・抜け毛は一般病院がおすすめ
AGA以外の薄毛や抜け毛は皮膚科か内科で治療を進める場合がほとんどです。
まずはAGA以外の脱毛症の種類や特徴を確認していきましょう。
※AGA以外の脱毛症についてはこちらの記事もご覧ください。
「薄毛・抜け毛の原因はAGA以外にもある?脱毛症の種類や症状」
AGA以外の脱毛症の種類と特徴
脱毛症には上記以外にもさまざまな種類があり、原因を特定し適切な治療を進めるには医師による診察や検査が必要です。
例えば心因性の脱毛であれば、精神の安定が薄毛の改善につながる可能性があるため、心療内科での治療と併行するケースもあります。
「最近抜け毛が気になるな」と感じ始めたら、自己判断で解決しようとせずにまずは医師に相談してみましょう。
一般病院は様々な脱毛症に対応
一方でAGAへの専門性は比較的低い
皮膚科や内科での薄毛治療は主に問診や視診、投薬治療が中心となり、頭皮の炎症を改善するための外用剤や脱毛症の引き金となる疾患の内服薬が処方されます。
皮膚科の中にはAGA治療薬を取り扱っているところもありますが、皮膚科医が皆AGAへの専門的な知識・治療実績を持ち合わせているわけではありません。
また皮膚科の場合、投薬治療への耐性を調べるための血液検査は行われますが、診断精度を上げるためのAGAのなりやすさを調べる遺伝子検査が省かれる場合があります。
皮膚科でのAGA治療には、検査項目がシンプルな分費用を安く済ませられるメリットがありますが、真剣にAGAを改善したいのであれば専門のクリニックを選ぶことがおすすめです。
AGAの場合は必ず専門のクリニックへ相談
脱毛の原因がAGAの場合、AGAの細やかな治療ができる専門のクリニックに相談するのが重要です。
そもそもAGA(男性型脱毛症)とは
AGAとは男性型脱毛症のことで、男性ホルモンの影響で生じる進行性の脱毛症です。
日本における男性の薄毛の原因のほとんどを占め、約3人に1人が発症すると言われています。
本来、筋量や骨量の増強に働く重要な男性ホルモン「テストステロン」は、遊離した状態で体内の酸化酵素と結合すると、脱毛因子の前駆体となる男性ホルモン「DHT」を生成します。
このDHTが毛乳頭内で男性ホルモン受容体と結合してできた脱毛因子は、毛母細胞を攻撃して髪の成長期を縮めてしまいます。
脱毛因子の影響で生じるのは大量の抜け毛や今ある髪の軟毛化、短毛化です。
AGAのなりやすさを決めるのは酸化酵素の活性度や男性ホルモン受容体の感受性ですが、これらは遺伝によって引き継がれます。
遺伝的な要因のあるAGAは、生活習慣を改善しても低刺激シャンプーを使っても食い止められません。
医師による適切な治療がAGAを改善するための最善策です。
AGAクリニックでの治療は主に「投薬治療」
AGAクリニックでの治療法は主に次の3つです。
- 投薬治療
- 注入療法
- 自毛植毛
このうち、一般的に用いられるのが投薬治療です。
投薬治療では以下の薬剤が処方されます。
AGA治療薬の種類と働き
投薬治療のメリットは効果や安全性、コストパフォーマンスに優れている点です。
メスや針を使った施術とは異なりダウンタイムの心配がなく、万が一薬が体質に合わなかった場合は薬の減量や中断を医師に相談できます。
また運営コストを抑えているオンライン診療を選ぶことで、治療費の大幅な削減が可能です。
長期的な治療を踏まえると、投薬治療は他の治療よりも負担なく続けやすいといえます。
なお、投薬治療を受ける上で特に留意すべき点として、AGA治療は治療開始が早いほど治療効果が出やすいと言われています。
逆に、薄毛が進行した段階から治療を開始すると、治療効果を感じづらくなったり、効果が出るまでに時間が掛かる可能性があるのです。
治療開始が早いほど比較的コストも抑えやすくなるため、「もしかしてAGAかも?」と思った時点で、まずはAGAクリニックに相談することをお勧めします。
薄毛・抜け毛の相談にAGAクリニックを選ぶメリット
AGA専門のクリニックは薄毛の治療に特化しているため、個人の症状に合った治療が可能です。ここからは、AGAクリニックを選ぶメリットを見ていきましょう。
発毛効果のある治療が受けられる
AGAクリニックでは基本的に発毛作用のあるミノキシジルの外用剤や内服薬の処方が受けられます。
一般病院でもミノキシジルを取り扱うケースがありますが、プロペシアやザガーロ、抗炎症薬などの取り扱いしかないことも多いです。
プロペシアやザガーロによるDHTの抑制や頭皮環境の整備で脱毛は食い止められますが、人によっては薄毛の改善に多大な時間を費やしてしまう可能性もあります。
AGAクリニックでは脱毛を食い止めながらミノキシジルで更に発毛を促すことができるので、効率的に薄毛の改善を目指しやすいです。
経験豊富な医師が担当してくれる
一般病院は薄毛の治療を専門としていないため、医師の専門的な知識や経験が浅く個々人の頭髪に合わせた治療が難しくなりがちです。
一方AGAクリニックは薄毛治療に特化しており、医師や看護師には薄毛治療の豊富な実績があります。
また、AGAクリニックでは脱毛の原因がAGAかどうかを調べられるだけでなく、自分に合った治療薬や将来のAGA発症リスクなども検査できます。
AGAクリニックでの検査は項目が多く高額になりがちですが、精密な検査結果を元に医師からのアドバイスを受けられるのは大きな強みといえるでしょう。
オンライン診療など便利なサービスが多い
AGAクリニックではオンラインで診察を受けられるところがあります。
オンライン診療では予約から相談、診断にいたるまで全て自宅で受けられます。
さらに治療薬は定期的に郵送してもらえるため、処方薬の受け取りのために薬局で待つ手間もありません。
また、薄毛が気になる方の中には「薄毛の治療をしていることを周囲にばれたくない」と感じる方もいます。
オンライン診療では誰とも会わずに治療を受けられるので、通院時に周りの目を気にする必要もありません。
その他、多くのAGAクリニックでは初回の無料カウンセリングを行っているため、薄毛治療に抵抗がある方でも気軽に受診しやすいメリットがあります。
薄毛・抜け毛の相談をするAGAクリニックの選び方
AGAクリニック選びで重視するポイントは次の4つです。
- 治療にかかる費用
- オンライン診療が可能かどうか
- 予約・相談がしやすいかどうか
- 診療や治療方針に信頼が置けるかどうか
AGA治療は最短でも6ヶ月以上の継続で効果が実感できるものなので、長い目で治療継続できるかを判断することが重要になってきます。
長期間の治療を行うには心身の負担なく続けられるのが一番です。
予想以上のコストやアクセスのしづらさ、不安を抱えたままの治療はストレスを蓄積させ、髪と頭皮に悪影響を与えるものです。
将来的な通院を踏まえ、ご自身のニーズに合ったクリニックを慎重に選びましょう。
※AGAクリニックの選び方についてはこちらの記事もご覧ください。
「AGAクリニックの選び方|薄毛治療で後悔しないポイントとは?」
薄毛・抜け毛の相談にまつわるQ&A
ここで薄毛や抜け毛が気になる方に多い質問を紹介します。これから薄毛の治療を始める方はぜひ参考にしてください。
薄毛治療に保険は適用されるの?
薄毛治療に保険は適用されません。
なぜなら、薄毛は生命に関わる疾患ではなく、患っても生活に支障をきたさないと捉えられているからです。
ただし、脱毛に頭皮の炎症を伴う場合、炎症を抑える治療には保険が適用されます。純粋にAGAやその他薄毛のみを治療するのであれば、受診先が一般病院であっても全て自己負担です。
なお、薄毛の治療は医療費控除の対象にもなりません。
医療費控除は1年間の医療費が10万円を超えた場合に、超過分を所得金額から差し引き所得税額を低くできる制度です。医療控除もまた健康に差し支えのある病気の治療にのみ適用されます。
薄毛の相談は何歳からできる?
一般病院であれば、年齢に関係なく誰でも薄毛の相談ができますが、AGA治療は原則20歳以上の患者を対象としていることを考慮しておきましょう。
AGA治療に年齢の規定がある理由は、治療薬に男性ホルモンを抑制したり強い血管拡張の作用があったりするためです。
体が成長段階にある未成年者への長期的な投薬は、発育に悪影響を及ぼす恐れがあります。
しかし、未成年でも受けられる薄毛治療もあるので、病院に相談してみることは大切です。
なお、未成年者がAGA治療について相談する場合、多くの病院では親権者の同伴を求められます。
女性の薄毛の場合はどこに相談すればいい?
女性の薄毛の相談先は男性と同じく基本的に皮膚科や内科となりますが、産後のホルモンバランスの乱れからくる脱毛の場合、婦人科を受診すると良いでしょう。
また、男性専門のAGAクリニックがあるように、女性専門の薄毛クリニックもあります。
男性と女性とでクリニックが分けられる理由は、それぞれの薄毛の要因や取り扱う治療薬が異なるからです。
女性専門の薄毛クリニックでは、薄毛治療の実績が豊富な医師によるニーズに合った治療が受けられます。また、薄毛治療以外に女性特有の悩みを相談しやすいのも女性専門クリニックのメリットです。
薄毛や抜け毛の相談はまずAGAクリニックへ
薄毛や抜け毛は要因に応じて相談先が異なります。
例えば、頭皮の炎症や甲状腺ホルモンの乱れ、円形脱毛症などからくる抜け毛には、皮膚科や内科、必要に応じて心療内科への受診が必要です。
抜け毛の原因がAGAの場合、迷わずAGA専門のクリニックを受診しましょう。
AGAクリニックでは実績豊富な医師によるきめ細かな治療を受けられたり、オンライン診療を選べたりするメリットがあります。また、オンライン診療を活用すると治療費を大幅に削減できるのも大きな魅力です。
薄毛が気になり始めたら、AGAクリニックへの相談をおすすめします。
天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
- 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
- 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。