髪の毛を増やす効果的な方法を紹介!薄毛・抜け毛を改善する対策とは
「どうすれば髪の毛は増えるの?」「育毛剤と発毛剤って何が違うの?」とお悩みの方に向けて、この記事では髪の毛を増やすための効果的な方法や、育毛剤と発毛剤の違いについて詳しく解説しています。
「薄毛が気になってきたのだけど、どうすれば髪の毛を増やせる?」
「発毛剤と育毛剤はどちらが薄毛改善に効果的?」
生え際や頭頂部の薄毛や抜け毛が気になってくると、髪の毛を増やすためになにか始めたいと考える方が多いかと思います。しかし、どうすれば増やせるのか、発毛剤と育毛剤のどちらを選ぶべきなのかなどの疑問を抱えている方も多いでしょう。
そこで今回は、髪の毛を増やすための効果的な方法や正しい薄毛対策について解説します。
■ 本記事のサマリ
- 薄毛は原因が様々なため、まずは原因を特定するためにも内科やクリニックの受診を推奨
- 男性が薄毛になる原因のほとんどはAGA(男性型脱毛症)が占めている
- AGA対策で髪を増やすためには、髪を健康に保つ「育毛」ではなく髪を生やす「発毛」が重要
- 発毛の中でも効果の高いAGA治療は、治療開始が早いほど効果が感じやすい
髪の毛を増やすには薄毛の原因を知る必要がある
薄毛は原因によって、適切な対処方法が異なります。そのため、髪の毛を増やす方法を調べる前に、まずは「なぜ自分が薄毛になっているのか」を知っておくことが大切です。間違った方法で薄毛対策を続けても効果は出ないため注意しましょう。
男性の薄毛の原因はほぼAGA(男性型脱毛症)
男性が薄毛になる原因の9割を占めているといわれているのが、AGA(男性型脱毛症)です。
日本人男性の約3人に1人はAGAを発症していると考えられています。
生え際や頭頂部から薄毛になっていくことが特徴です。
AGAの発症には、男性ホルモンの1つであるジヒドロテストステロン(DHT)が大きく関係しています。ジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)に結合すると、脱毛を促進させるTGF-βやDKK1などの脱毛因子の分泌が増えてしまうのです。
脱毛因子は毛母細胞の働きを抑制するため、細くて短い髪の毛しか育たなくなり薄毛が進行していきます。
髪質が細くなった、額や頭頂部から薄毛が進行している、などの症状がみられる場合、AGAの可能性が高いです。
AGA以外の脱毛症
脱毛が見られる疾患にはAGA以外に、次のものもあります。
- 円形脱毛症
- 脂漏性皮膚炎
- 牽引性脱毛症
円形脱毛症とは、コイン状の脱毛が見られる疾患のことです。人によっては帯状に脱毛が進む場合もあります。
ストレスが原因だといわれていましたが、現在は免疫が自分自身を攻撃するために起こるという説が有力になってきました。
脂漏性皮膚炎とは、皮脂が過剰に分泌されることで皮膚や頭皮に炎症が起こるものです。
赤みやフケが出るだけで済むこともありますが、症状が悪化すると抜け毛が進行することもあります。
牽引性脱毛症は、髪の毛が引っ張られることで起こる脱毛です。髪の毛をよく結んだり、エクステをつけていたりする方でよく見られます。
頭皮環境の悪化
頭皮の環境が悪化すると、AGAや円形脱毛症などを発症していなくても薄毛や抜け毛が進行することがあります。
- ストレスがたまっている
- 食生活が乱れている
- 不規則な生活を送っている
- 誤った頭皮ケアを行っている
このような場合は、頭皮環境が悪くなりやすいので要注意です。
ストレスがたまる生活を続けていると、血管が収縮して血流が悪くなり髪の毛に栄養素が届きにくくなります。
たんぱく質やビタミンの不足は髪の毛の成長を妨げるため、コシがなく細い髪の毛が増える原因です。
睡眠時間が短かったり質が悪かったりすると、成長ホルモンの分泌量が減るためしっかりと育ちません。
また、頭皮が乾燥していたり汚れを落としきれず残ったままになっていたりすると、炎症やかゆみが起きて抜け毛が増えることがあります。
薄毛はこれらの様々な要因が絡み合って起きていることが多く、自分では原因が分からない場合も多いでしょう。
なるべく早く薄毛を改善するためにも、まずは皮膚科やAGAクリニック等で専門家に原因を特定してもらうことをお勧めします。
髪の毛を増やす方法は「発毛」と「育毛」の2種類
髪の毛を増やす方法について調べていると、「発毛」と「育毛」の2つの言葉を見かけることが多いでしょう。
似ているように思えるかもしれませんが、発毛と育毛はまったく別の意味をもつ言葉です。
発毛とは、髪の毛を新しく生やして本数を増やすことを指します。
薄毛や抜け毛が進行した部分から再び髪の毛が生えてくるようにしたい場合は、発毛に力を入れることが大切です。
一方で育毛とは、今生えている髪の毛の状態をよくして健康に保つことをいいます。
抜け落ちた部分から新しく髪の毛を生やす効果はありません。
つまり髪の毛の本数を増やしたいなら発毛剤、今ある髪の毛を健康にしたいのなら育毛剤を選ぶ必要があるのです。
髪の毛を増やす目的で育毛剤を使われる方がいますが、発毛効果はないので注意しましょう。
髪の毛を増やすために選ぶべきなのは、育毛剤ではなく発毛剤です。
※育毛剤と発毛剤の違いについては、こちらの記事もご覧ください。
「育毛剤と発毛剤の違いとは?薄毛・抜け毛への効果や成分について」
髪の毛を増やす方法①発毛
特に薄毛の原因がAGAの場合、抜け落ちた部分の髪の毛を増やし、ボリュームアップしたい方は「発毛」に力を入れましょう。おもな発毛方法には次の3つがあります。
AGA治療薬
もっともメジャーな方法が、AGA治療薬を使用する方法です。
代表的な治療薬には、ミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドがあります。
ミノキシジルは血行をよくしたりヘアサイクルを整えたりすることで発毛効果を発揮する薬です。
AGAを発症している方では、本来は2~6年ある成長期の期間が数ヶ月程度にまで短くなっています。
ミノキシジルは成長期の期間を元に戻すことで髪の毛が育ちやすい本来の状態に戻すものです。
外用薬は市販でも手に入りますが、より薬物濃度の高いものや内用薬はクリニックで処方してもらうことができます。
一方、フィナステリドやデュタステリドは、AGAを進行させるジヒドロテストステロンの生成を抑えることで薄毛の進行を食い止めます。
これらの薬は市販では販売されておらず、クリニックで処方を受ける必要があります。
発毛を促進するミノキシジルと抜け毛を抑えるフィナステリドやデュタステリドを併用することで、より強力な薄毛改善効果が期待できます。
メソセラピー
メソセラピーは、注射や炭酸ガスなどを利用して成長因子や薬剤などを頭皮に直接注入していく治療です。
ミノキシジルやフィナステリドなどの治療薬で十分な効果が見られなかった方でも発毛効果を実感しやすいことで知られています。
AGA治療薬のように毎日続けて服用する必要がなく、定期的な通院だけで治療が可能です。
服用を続けるのが手間に感じる方は、メソセラピーのほうが治療を続けやすいと感じることもあるでしょう。
一方で費用が比較的高額になりやすい点には注意が必要です。
自毛植毛
自毛植毛とは、AGAの影響を受けていない部分の髪の毛を皮膚組織と一緒に採取し、薄毛が気になるところに移植する治療です。
移植が成功すると、そのまま髪の毛が成長をくり返すようになるため、AGAを根本的に解決することができます。
うまく生着すれば半永久的に薄毛の悩みから解放されるため、人によってはとても良い治療法の1つだといえるでしょう。
しかし、こちらも費用が100万程度になる場合など、比較的高額になりやすいため、第一選択としては選ばれにくいです。
髪の毛を増やす方法②育毛
髪の毛を新しく生やすだけでなく、今ある髪の毛の質もよくしたいと考えている方は、「育毛」にも力を入れていきましょう。
育毛だけで髪の毛を増やすことはできませんが、発毛と組み合わせて行うことで、よりボリューム感のある毛髪を手に入れられます。
育毛剤を使用する
育毛剤は、髪の毛の健康をサポートするのにとても役立つアイテムです。
毛母細胞の働きを活性化するアデノシンやパンテノール、血行を促進するナイアシンアミドやセンブリエキス、炎症を抑えるグリチルレチン酸などが配合されています。
髪の毛を新しく増やす効果には乏しいですが、頭皮環境を整えたり今ある髪の毛の健康状態をよくしたりするのに効果的です。
育毛剤の種類によっては発毛効果が確認されている成分が使われているものもありますが、発毛剤と比べると効果は劣ります。
育毛サプリを飲む
育毛サプリは、髪の毛の成長に必要な栄養素を手軽に摂取できることがメリットです。
亜鉛やアミノ酸をはじめ、血行を促進するカプサイシンや海藻エキスが含まれたものなど、さまざまな種類があります。
ただし、サプリメントとはそもそも栄養素を補うためのもので医薬品のような効果はありません。
扱いとしては食品と同じなので、育毛サプリだけで理想の髪の毛を手に入れるのは難しいことが多いでしょう。
そのため、育毛サプリはあくまでも補助的に使用するのがおすすめです。
※育毛サプリメントについてはこちらの記事もご覧ください。
「AGAに育毛サプリメントは効果的?薄毛の改善が期待できる有効成分」
頭髪のケアを行う
頭皮の状態がよくなければ健康的な髪の毛は生えてきません。
炎症やかゆみが起きているようでしたらシャンプーで皮脂を取りすぎていたり、汚れを落としきれていなかったりする可能性があります。
よくあるのは、頭皮を清潔にしようとするあまり、洗浄力が強すぎるシャンプーを使用したり1日に何度も洗ったりしてしまうことです。
頭皮の乾燥はバリア機能を低下させトラブルを引き起こす原因となります。
シャンプーは1日に1回程度を目安にしましょう。
紫外線も乾燥につながるため、帽子をかぶったり日焼け止めのスプレーを髪の毛に使ったりなど対策を行うこともお勧めです。
頭皮の状態がなかなか改善しない場合は、皮膚科での治療も検討してください。
時間があるときに頭皮マッサージを行うのも効果的です。血行がよくなり、栄養素が髪の毛に届きやすくなります。
髪の毛に良い食事や生活を心がける
髪の毛に良いとされるたんぱく質やミネラルなどを積極的に摂りましょう。
たんぱく質は髪の毛の80〜90%を占めているため、健康を維持するうえでは必要不可欠な栄養素です。
ミネラルの1つである亜鉛は、髪の毛の主要な成分であるケラチンを作るのに必要になります。
現代ではあまり見られませんが、不足すると脱毛を起こすことも知られているため、髪の毛のためにも積極的に摂りたい成分です。
髪の毛の成長を促すホルモンの分泌が寝ているときに盛んになることから、睡眠をしっかり取ることも育毛に効果があります。
育毛ではAGAで失った髪の毛は戻らない
髪の毛を増やすために育毛を行っても、残念ながらAGAが原因で失われた髪の毛は戻ってきません。
抜けた髪の毛を生やすために必要なのは、育毛ではなく発毛です。
頭皮が目立つようになってきた部分に再び髪の毛を生やすためには、発毛に効果がある治療を行う必要があります。
生え際や頭頂部から薄毛が進行している場合は、AGAを発症している可能性が高いでしょう。
そのため、AGA治療を行うことが髪の毛を増やす一番の近道です。
また、注意すべきポイントとして、AGA治療は開始が遅れるほど効果が実感しづらくなると言われています。
AGAは進行性の脱毛症のため、段々と毛母細胞が寿命を迎え、髪の毛が生える細胞が減っていってしまうのです。
クリニックに受診するのはハードルが高いかもしれませんが、今のヘアボリュームを維持するためにも、AGAの疑いがある場合は早めにクリニックに相談することをお勧めします。
発毛・育毛以外の髪の毛を増やす方法
発毛や育毛以外にも、髪の毛を増やす方法がいくつかあります。そのうちの1つが増毛です。
増毛とは、物理的に髪の毛のボリュームを増やすことをいいます。
化学繊維などで作られた人工の髪の毛を自身の髪の毛に結びつけ、ボリュームをアップさせる方法が主流です。
ただし、時間が経つと取れたり切れたりするため、定期的なメンテナンスが必要になります。
すぐにボリュームアップできることがメリットですが、自身の髪の毛がある程度残っていないとそもそも増毛ができない点はデメリットだといえるでしょう。
もう1つの方法はウィッグの使用です。かぶるだけで簡単に薄毛を隠せます。
しかし、ウィッグの質によっては不自然に見えるものも多く、ウィッグをかぶっていることは比較的すぐにバレてしまうことがほとんどです。
かぶり続けると頭が蒸れて頭皮環境が悪くなる可能性もあるので、あまりおすすめはできません。
髪の毛を増やす方法にまつわるQ&A
では、最後に髪の毛を増やす方法についてよく聞かれる3つの質問にお答えします。誤った理解をしている方も多いので、ここで改めて髪の毛の正しい知識を身につけておきましょう。
海藻類を食べると髪が増えるの?
海藻類を食べても髪の毛が増えることはありません。
逆に海藻類を食べていないからといって薄毛になることもありません。
海藻類には髪の毛の成長を助けるミネラルが豊富に含まれていますが、これだけで発毛効果を実感することは難しいでしょう。
髪の毛を増やすのに海藻類が良いといわれるようになったのは、海藻が海中で揺れる様子が髪の毛のように見えたためだそうです。髪の毛に良いことは確かですが、海藻類だけでなく食べ物だけで薄毛が改善することはありません。
10代でも薄毛になってしまうの?
10代でも薄毛になることはあります。
AGAは20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代以降で約40%と年齢とともに発症率が上がっていくことが特徴です。
10代の発症率について詳しくはわかっていませんが、20代でも10人に1人がAGAを発症していることを考えると10代で薄毛になる方がいても不思議ではありません。実際に10代でクリニックに通い始める方もいます。
女性でも可能な発毛方法はある?
女性でも髪の毛を増やす治療は行えます。
ミノキシジルの外用薬やメソセラピーなどが代表的な治療方法です。
パントガールというビタミンやアミノ酸などが配合された飲み薬が用いられることもあります。
男性と比べると治療方法はやや少なくなってしまいますが、医学的に効果が認められた治療方法がいくつかありますので、気になる方はまずクリニックへご相談ください。
髪の毛を増やしたい薄毛の方はまずはAGAクリニックへ
髪の毛の本数を増やしたい場合は、育毛ではなく発毛を行うことが重要です。
ミノキシジルやフィナステリドなどのAGA治療薬、メソセラピー、自毛植毛などが代表的な方法として知られています。
薄毛になる原因の多くはAGAであるため、髪の毛のボリュームが気になるようになってきた方は、AGA治療を行うことで発毛を実感できるでしょう。
育毛剤を使用する方を見かけることも多いですが、育毛剤で髪の毛が新しく生えてくることはありません。
AGAは治療が遅くなると発毛効果が出づらくなるため、育毛剤を使い続けず早めの受診を心がけましょう。
天野 方一 先生
ヘアテクト 顧問医師
日本抗加齢医学会専門医
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2021年よりへアテクト顧問、2022年より理事長に就任。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。
- 本記事はHAIRTECTスタッフが天野医師にインタビューを実施し、スタッフが内容をまとめたものとなります。
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